エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ちょっといい学校話

「自由研究」が誰かの役に立つ

そろそろ夏休みの終わりを感じて,焦りだす子どもたちが多いのではないでしょうか。

それは先生も同じです。

しばらく緩んでいた感覚を戻すのはどちらも一苦労です。

でも始まってしまえばあっという間に日常に戻るのも学校です。

だからあと少しの非日常を時間を思いっきり楽しむことも大事です。

さて今回は自由研究についてです。

私は3人の子どもがいます。

残念なことに,科学的なことにそれほど関心が強くなく,自由研究を楽しみにするような子どもではありませんでした。

だから,いつも一緒に考えて一緒に作っていました。

写真を印刷するぐらいならまだしも,ほとんど一緒に作るのでもはや誰の研究か分かりません。

そんな自由研究ですが、地元の市ではもう何十年と続く「科学創作展」というものがあり,選ばれると学校を代表して出展され,さらにそこで特別な賞を受けたります。

市の伝統と言うこともあり,なかなか気合いの入った作品もあります。

我が家は賞にはまったく無縁なのですが,長男と二男は1度だけ学校代表になったことがあります。

長男は1年生の時でした。

家の周りの生き物を調べて写真を撮り,模造紙に地図を書いて生き物の写真を貼っただけでしたが,一緒に作ったこともあり,1年生らしいかわいらしい作品になりました。

二男は3年生の時でした。

自分が輪ゴムにぶら下がり,何本目で輪ゴムが切れないかを確かめたものですが,二男の表情がかわいらしくて内容がばかばかしい研究でした。

三男にいたっては1回も選ばれていません。

そりゃそうです。

自分で研究に関心を持っていないのですから,やらされ感が半端ないです。

でも,そもそもなぜ研究するのでしょう。

こつこつとカビの研究をしたり,生物の成長を観察したりしますが,それって何の役に立つのでしょうか。

カビが出来て困っているから,カビを研究することで,カビ予防ができる。

生物の成長に関心があるから,成長記録を付けることで,生命の神秘に触れて命の大切さを学ぶ。

私はこのように「誰かの役に立つ研究」をしてほしいと思っています。

だからまずは身近にある「困っていること」や「興味のあること」をたくさん書き出してみましょう。

そのなかで特に「困っていること」や「興味のあること」を改善したり追及したりすれば良いのです。

そうすれば「自分自身の学び」になるだけでなく,「誰かの役に立つ」研究へとつながるはずです。

例えば「夏は家の中が暑すぎて困っている」とします。

次はどうすれば快適に過ごすことができるのかを考えます。

扇風機だけだと多少は涼しく感じるのですが暑い空気が動くだけなので改善されません。

そこで便利なエアコンに注目します。

すると家の中の下の方ほど温度が低くなることに気づきます。

そのことから「温度が低い空気は下降し,高いと上昇する」という小学校の理科の勉強へとつながることが分かります。

そこでどのようにエアコンを使えば効果的に家の中を快適にできるのかということになるので,先ほどの理科の勉強を生かして,エアコンは2階で使えば良いと言うことになるわけです。

すごく簡単な例ですが,実際に温度の変化を調べたりすれば実感としても分かり,地球温暖化問題の改善へと思考が発展的に進むことにもつながります。

今さらこの投稿をしても間に合わないかもしれないのですが,二男と三男が自由研究を後回しにしていて情けないので,あえて投稿してみました。

「私の自由研究が誰かの役に立つ」と考えて,「やらされる研究」から「進んでやる研究」に変わることを期待しています。