エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ぶらっと寄り道話

戦いとケンカの違い

ヨーロッパリーグのマンチェスターユナイテッド対レアルソシエダ戦をWOWOWで観戦しました。

マンチェスターユナイテッドのホームであるオールド・トラッフォードはまさにイングランドサッカーという雰囲気でした。

Old Trafford inside 20060726 1.jpg

男臭いと言うか重厚と言うか太いと言うかまさに「戦いの場所」と言う感じです。

一方,レアルソシエダは久保建英選手が今季移籍したチームで,我が家が好きなダビド・シルバ選手が所属しています。

シルバ選手は数年前までイングランドのマンチェスターシティーでプレイしていたので,このスタジアムには慣れているでしょうが,それでも選手の年俸やクラブの規模からしたらJ1のチームにJ3またはJFLのチームが挑むようなものだと思います。

マンチェスターユナイテッドは今期のプレミアリーグで注目しているチームです。

これまでのある程度「個人戦術」に頼って来たチーム戦術から脱却し,コンパクトな攻撃と守備が整理されたチーム戦術になっています。

あれほどの距離感を保つには選手間の連携は不可欠です。

高年俸の選手たちに献身的なプレーを求め実行させるには,監督やコーチの明確なビジョンやコーチングが無いと不可能です。

聞くところによるとなかなか強烈な感情を持った監督らしいですが,選手と共にハードなランニングもこなす共感型の一面もあるようです。

きっと選手は監督に言葉では言い表せない魅力を感じているのでしょう。

一方レアル・ソシエダはダビドシルバをトップ下に置いた昔懐かしい中盤がダイヤモンド型の1-4-4-2の選手配置です。

4–4–2 ダイアモンド (4–1–2–1–2 とも呼ばれる) サッカー フォーメーション - ストーリーズ プリスクール

久保選手は2トップの一角に入りダビド・シルバ選手の近くでプレイすることで新たな輝きを発揮しています。

偉そうに言いますが,久保選手は素晴らしい選択をしたと思います。

ヨーロッパリーグに出ることができ,ダビド・シルバ選手から学ぶこともできるわけですから。

さて試合はと言うと,ホームの利を生かしてマンチェスターユナイテッドが攻め込むかと思いきや,レアル・ソシエダも粘り強く中央のや背後のスペースを消して対抗します。

長男と話していたのですが,イングランドとスペインのサッカーの違いが以下のように感じられる勝負だったように思いました。

イングランドサッカーは,戦争に近い戦い。

スペインサッカーは,遊び心があるケンカ。

試合は徐々に圧倒的な力で攻め込むマンチェスターユナイテッドに対して,手を変え品を変えしながら相手の弱みを見つけて対抗するレアル・ソシエダの図になっていました。

恐竜で例えるなら,「Tレックスとラプトルの群れの戦い」でしょうか。

ちょっと違うか(*_*;

そんな時,久保選手のクロスからダビド・シルバ選手のシュートにつながり,慌てて飛び込んだマンチェスターユナイテッドの選手の手にボールが当たってしまいました。

主審の判断はPK。

このPKを決めたレアル・ソシエダは最後までチーム一丸となって守り切りました。

どんなに強烈な個人戦術やコンパクトな攻撃があってもゴールにボールが入らなければ失点しません。

それを理解しているレアル・ソシエダの選手たちはゴール前のスペースを消してしまい,簡単には侵入させませんでした。

戦争に近い戦いをしているマンチェスターユナイテッドの選手たちは,大観衆が見守るホームでの負けは許されません。

その結果,ゴールを急ぎすぎてコンパクトさを失ってしまいました。

つくづくサッカーは面白いなと思います。

長男はそんなスペインサッカーが大好きです。

サッカーは決して戦争ではなくスポーツでありゲームです。

だからケンカぐらいでちょうど良いのかもしれません。

さて今日も奈良クラブアカデミーの練習があります。

どんなケンカを見せてくれるのかを楽しみに練習見学をするとします。