エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ちょっといい学校話

1年生のヒーロー

前期後期制を採用している地域ならそろそろ終業式です。

私の三男の地域は前期後期制なので本日通知表をもらってきます。

これで三男が小学生でいられる時間はあと半期のみとなりました。

あっという間に小学生を終えてしまいます。

何とも感慨深いです。

長男が小学校に入学してからもうすぐ10年がたちます。

二男が小学生になり,三男が小学生になる。

三兄弟が同じ小学校に通った期間は2年間です。

あの頃はまさか離れ離れで生活する未来が来るとは思いませんでした。

小学校の6年間は長いようで短い。

私が初めて担当した学年は4年生でした。

10歳になる年です。

私が教諭として生きた25年間で彼らは10歳から35歳になりました。

子どもから大人へ,あっという間です。

6年生の役割

小学校は7歳になる1年生から12歳になる6年生までが一緒に集団生活をする場所です。

1年生と6年生を比べると同じ生き物とは思えないぐらい身体的な成長の差があります。

当然,精神的な差もあるのですがそれは不思議と感じません。

きっとランドセルを背負って通っているからなのでしょうね。

ランドセルの良し悪しはさておき,1年生と6年生が並ぶとリアル劇的ビフォーアフターです。

このちっちゃい1年生が6年後にはこうなるのか。

でも本当にそうなるのです。

だから私が6年生を担当するときは常にこだわってたことがあります。

それは「6年後を意識して1年生と接する」ということです。

1年生にとって先生以外で1番身近なお手本は6年生です。

憧れの6年生なのか。

それとも反面教師の6年生なのか。

とても重要です。

1年生は未熟すぎるので,たまに羽目を外しすぎてしまうこともあります。

担当していた6年生が,

「先生,1年生が叩いてきた。」

と訴えてくることがありました。

私は,

「1年生が叩くぐらい大したことない。それよりも1年生が叩いてきても許してあげな。そうすればこの1年生が6年生になった時に,きっと1年生を許せる6年生になっているはずさ。だって君らがお手本なんだから。」

となだめていました。

確かに暴力はいけませんが,1年生からしたら6年生は甘えられる存在なのです。

また,1年生はどうしても6年生に比べて食が細いです。

1年生用の量になってはいるのですが1年生が食べられる量に減らすと,どうしても給食が残ってしまうことがありました。

仕方ないと言えば仕方ないのですが,やっぱり食べ物を残すことは「もったいない」という気持ちを子どもたちには持ってほしいです。

そこで私は1年生が食べきれなかった給食を6年教室に回収して,おかわりが出来る6年生で食べきっていました。

6年生が1年生の教室に行って,「俺らに任せろ~」とばかりに食缶を預かります。

6年生がぺろりと食べきり,すっかり空になった食缶を1年生教室に戻しに行くと,1年生から尊敬の眼差しで拍手されていました。

まさにヒーロー

そんな感じです。

6年生が全力で学校生活を満喫する姿を1年生に見せることが,未来の6年生を育て,小学校の伝統を受け継いでいくことにつながるのです。

そんな6年生が卒業する日。

1年生は憧れの6年生が卒業することに純粋に涙し,6年生のような高学年になろうと前向きな気持ちになるのです。

6学年が入り乱れる小学校は集団生活の基礎であり,未来に希望を持ち憧れる場所なのです。

全国の小学6年生の皆さんへ。

未来の6年生の素敵なお手本になることを願っています(‘◇’)ゞ