エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

レバンテへの挑戦

私が長男のスペイン遠征に同行したのは長男が小学校5年生の12月でした。

スペインのバレンシアで行われる国際大会である「ON SPORTS CUP」に関西エコノメソッドスクール選抜のメンバーとして出場することが目的です。

以前まではエコノメソッドスクール選抜として3月か4月にスペインのタラゴナで行われる「マレ ノストルムカップ」に参加していましたが,この年からエコノメソッド関西スクール関西は12月に「ON SPORTS CUP」になったのです。

初めてのマレノストルムカップ

長男は小学5年生の4月に「マレノストルムカップ」に初参加しました。

この時は初めての海外でした。

アレビンのカテゴリーで,チーム編成は2つ上の学年が中心で長男は唯一の5年生でした。

7人制の1-3-2-1の2の左側を中心にプレーし予選リーグ通過に貢献しました。

チームが共有してくれた動画を観る限りでは,のびのびとプレーする様子が観られましたし,決勝トーナメント初戦でも自分よりも体格が大きい相手に体を張って守備をしていました。

チームは初戦で負けてしまいましたが,悔しそうにしている姿は日本にいるときと変わりませんでした。

いざバレンシアへ

今回の遠征は前回の雪辱戦です。

それも対戦相手には,ラ・リーガ1部レバンテ(現在は2部)ヘタフェアトレチコ・マドリードの下部チームが参加しています。

当然テンションは前回よりも高くなります。

ホテルがあるバルセロナからバレンシアまではバスで約4時間かけて移動しました。

大会が開催されるホテルなリゾート地にありました。

ホテル内には大会の旗が飾られて祭りの様相でした。

レバンテに挑戦

この日は午後からの1試合のみです。

それも相手はレバンテです。

会場は天然芝

長い長い移動時間をかけてようやくたどり着いた初戦です。

チームは1-3-2-1で挑みました。

GKはスペインの街クラブでプレーするレオです。

さすがは関西の子ども達。

スペイン語を覚えるよりも適当な日本語を教えてコミュニケーションをとっています。

だからレオには日本語で指示をしていました。

私はグランドの角で試合を観戦していましたが,レバンテのサポーター(保護者が中心)は旗を振りながら踊るように応援しています。

スペインに来て驚いたことの一つが応援です。

街クラブであっても保護者や地域の方が観戦に訪れて,スタンドのようなところで積極的に選手に声をかけたり,歌を歌ったりして試合を盛り上げるのです。

だから子ども達もそれに応えようと懸命に自己表現をします。

ゴールをしたときはプロさながらにサポーターの所に走っていきます。

レバンテのサポーターもみんなで歌っています。

単純に楽しそうです。

きっとエコノメソッドスクール選抜の子ども達もプロになった気分で試合を楽しめたと思います。

さて試合は,グランドを広く使いながらパスを使って前進するレバンテに対して,長男ともう一人の中盤の選手のドリブルを中心に前進するエコノメソッドスクール選抜という構図になりました。

決して前進がドリブルだけではないのですが,寄せ集めのチームですので,現実的に個の質を活用しながらスクールで学んだことを要所で発揮していく戦い方になりました。

前半はどちらにも決定的な場面がありましたがGKの好守で得点には至りませんでした。

どちらのチームも交代で全ての選手を出場させていましたから,とても好印象な試合になりました。

待望のゴール

後半は明らかにエコノメソッドスクール選抜が優位に試合を進めていきました。

長男を中心にスペースを使えるようになったことで,相手のディフェンスを分散することが出来ていました。

そしてついにその時が来ました。

長男が左からパスを受けて右の深い位置にパスをします。

そのボールは流れてしまうのですが,ボールをキープして後ろに戻しました。

その間に長男はバックステップをして自分の前にスペースを作ります。

右側から来たパスを自分の前のスペースに運び,角度をつけてから左足でシュートしました。

そのシュートは相手ゴールの右側に吸い込まれました。

ボールを左右に循環させてからの見事なゴールでした。

レバンテ相手に長男がゴールを奪いました。

興奮するエコノメソッドスクール選抜。

盛り上がる数少ないエコノメソッドスクール選抜の保護者。

緊張感が増すレバンテ。

静まり返るレバンテサポーター。

もしかしたらレバンテに勝てるかもしれない。

そんな期待感が高まりました。

でも…。

さすがはレバンテです。

勢いに乗って前がかりになった背後のスペースをつかれてしまいます。

「あ,やばい。」

そう思った時には相手のFWにダイナゴラルに走られてGKレオと1対1になり失点してしまいました。

大盛り上がりのレバンテサポーター。

試合はそのまま終了しました。

悔しい引き分け

エコノメソッドスクール選抜はまるで負けたかのように落ち込んでいました。

でもコーチのアルベルトはこう言いました。

あのレバンテに引き分けたんだ。これはすごいことなんだぞ。

あのレバンテのすごさがイマイチわからない子ども達にはコーチの言葉は全く響いていませんでした。

ただただ勝ちたかった

子ども心にはそれだけでした。

私は,初めてのスペインでレバンテのプレーを観れただけでなく,長男のゴールまで観れたことに大満足でした。

さらにはスペインの育成年代かつラ・リーガ下部組織のサッカーがどんなサッカーをしているのかが分かっただけでなく,エコノメソッドを学んでいる普通の日本の子ども達がラ・リーが下部のチームに通用しているという現実に興奮していました。

エコノメソッドは間違いない。

それが確信になった瞬間でした。

ちなみにレバンテにはやたら大きいアフリカ系のコーチがいました。

あまりに風格があったので気になっていたのですが,後で調べたところレバンテのトップチームのレジェンドであるコートジボアール出身の「フェリックス・エティアン」でした。

びっくりです。

長男は「グッドプレイヤー」と声をかけてもらい,ちゃっかり写真も撮ってもらいました。