エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

駆け引きの祭典

昨日の公園サッカーで感じたことは「サッカーが上手い子は駆け引きが上手い」ということです。

サッカーで言う駆け引きとは,「勝負に勝つための相手との駆け引き」です。

昨日は強度調整をしていたのでコートサイズは縦15㎡横10m程度でした。

そのグリッドを使った1つ目のゲームが3対3+1フリーマンのドリブル通過のラインゴール。

このゴールの設定にしているのは公園なのでシュートするとボールがおっちこっちに行ってしまうからです。

高校生が6人に50歳間近のおじさんが1人です。

フリーマンは1タッチでプレーし,ゴールする際も1タッチで持ち出すのみです。

この条件で勝つために駆け引きをするのです。

勝つためのポイントはフリーマンの使い方ですね。

攻撃側はフリーマンがいることで数的優位です。

フリーマンに得点を奪わせるのか,フリーマンを使って他の人が得点を奪うのか。

守備側はボール保持者にプレスをかけたときに必ず一人が余るので,誰をどこに放っておくのか。

攻撃側が最初に考えるプランAがフリーマンを使ってビルドアップに数的優位を使う方法です。

一般的な考え方ですが,3つの問題が発生します。

一つ目はフリーマンは1タッチでしかプレーできないこと,二つ目はピッチが非常に狭いこと,三つめは公園なので地面が土だということ。

フリーマンがボールを奪われると自陣近くで数的不利になり,あっという間にカウンターを受けることになります。

コートの狭さや土ということを考えるとフリーマンがミスをする可能性は高くなります。

そこでプランBがフリーマンをスコアラーにしてしまう作戦です。

味方の3人でビルドアップをして深さをとったフリーマンにゴールを奪わせることで,例えフリーマンがミスをしても自陣には仲間を残しているのでカウンターを受けにくくなります。

この公園サッカーではこの駆け引きの応酬になりました。

相手が前プレスに来たらプランB。

相手が出てこなかったらプランA。

別に話し合ってプランを選んでいるわけではなく、相手の出方を観てプランを選んでいました。

ここで駆け引きをより面白くさせるのが質的優位です。

コートが狭いので長い距離を走ることが出来ませんから,生きる質的優位は狭い局面でボールを握れたり抜くドリブルが出来る技術ということになります。

日本人が得意とする技術ですね。

だからその選手をどう使うのかです。

例えばその選手をゴール前で1対1の状況にさせるとか,狭いエリアでボールを受けさせるとか。

守備側は,質的優位を使わせないようにその選手をゴールから遠ざけたり,2人でプレスに行ったり。

これらの駆け引きが公園サッカーでも起きているのです。

さすがは元アメージングアカデミー生です。

どんなに無邪気にふざけていてもサッカー脳は育っているので,ゲームとなるとそこは絶対にさぼりません。

有効なスペースが出来たらすぐにそこを使ってきますし,何とかして優位を作り出そうとしてきます。

だから何気に質の高いゲームになっていました。

50歳間近のおじさんは大変です。

コートが狭いのでまだついていけますが,コートがあと5㎡ずつ広がったらもう無理でした。

サッカー選手はこれを縦105m横68mのコートで22人が入り乱れて90分間行っているのです。

それだけでもサッカー選手の能力の高さの一端が分かると思います。

このあと中学生の二男が参加して同じコートで4対4をしました。

ゴールの仕方も外側がドリブル通過のラインゴールで真ん中がスルーパスを通してゴールという設定にしました。

数的同数になりゴールの仕方が変わるだけで,かなり駆け引きも変わります。

それに対応する二男もなかなかです。

結局,ボールが見えなくなるまでやっていましたが,どちらも負けたくないので守備側のプランが優先されてなかなか終わりませんでした。

青春の意地の張り合いですね(^^)

もうすぐサッカーの祭典「カタールワールドカップ」です。

子どもの頃に駆け引きのある無邪気なサッカーを楽しんできた選手達の国別対抗戦がワールドカップです。

どの国の駆け引きが勝つのか。

ぜひその視点でも観戦してみてください。

長男はスペインとは言わずアルゼンチンと予想しています。

当然日本にも期待していますが,やっぱりメッシ先生にとって最後のワールドカップですので応援してしまうのも分かります。

私は破壊的なスタイルのドイツかなあ。

皆さんはどうですか?