エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

弾丸になる

最近の長男は色々な事情で自分のプレーに悩みを抱えています。

この悩みの根本には性格的なものもあります。

だから結局は自分と向き合うしかないのですが,科学的な根拠や具体的にイメージできる言葉があればそれが改善の糸口になるのかなと思います。

 

長男は小学生の頃はまるでキャプテン翼そのものでした。

チームの人数が少なかったこともあり,攻守にわたって全てのプレーに関わっていました。

周りの人からは本当に「キャプテン翼みたいやな。」と言われていたほどです。

 

それが小学校4年生のころに出会ったサッカーサービス社のエコノメソッドによってサッカーにおける個人戦術,ポジション戦術,チーム戦術を学んでいく過程で,サッカー選手としての質は確実に高まりましたが,本来の「自分がサッカーをやっていた目的」を見失ってしまいました。

長男にとっての目的はまさに「ゴール」でした。

子どもの頃はずっと得点王を目指していました。

ドリブルもパスも全てゴールのために。

そんな選手でした。

ゴールしたいから相手のボールを奪う。

そんな選手でした。

現在の長男は明らかにゴールへの貪欲さが薄れています。

確かに中盤の選手として判断すべきことの最優先がゴールではないことも多いです。

しかし,それをすれば必ず勝てるわけではないのに,知らず知らずにやるべきことをこなすことが長男のサッカーになっていきました。

 

その結果,トップチームのトレーニングに関わるようになってある課題が明らかになりました。

それは,チームがボール保持時のディフェンシブサードやミドルサードでの関わりは問題ないのですが,アタッキングサードでの関わりには物足りなさがあり,決定的なシーンでゴールを決めきれないことが増えました。

これは攻撃的なポジションの選手としては致命的です。

攻撃的な選手にとってゴールこそ最大の評価です。

それでもボール保持は問題なく出来るのでトップの選手たちは長男を認めてくれますが,1対1での守備に関しては物足りなさしかありません。

長男はどうしてもチームのバランスを意識しすぎてしまい,相手よりも一歩前に出るアグレッシブなプレスが出来ません。

本人は激しいプレスをしているつもりなのですが,トップの選手のフィジカル相手だと少し遅れた足先だけのプレスでは通用しません。

どうしてもボールを奪い切れない長男は「ディフェンスが弱い選手」という印象になってしまいます。

 

そこで私は長男に「弾丸になれ」と伝えました。

弾丸のようなプレスで相手からボールを奪い,弾丸のようなドリブルやパスでゴールに迫り,弾丸のようなシュートを撃つ。

長男は現在16歳です。

幸運にも小学生の頃から現在までエコノメソッドを通してサッカーを深く学ぶことが出来ました。

これからは職業としてのサッカー選手を目指さなければいけません。

世界では16歳でプロ契約を勝ち取り,華々しいプロの世界で活躍する選手がごろごろといます。

彼らに共通していることは,サッカーIQが高いのは当たり前で,それ以上に強烈な自己表現力を持っていることです。

先輩の選手に混じっても遠慮は無く,チームの勝利のために自分の武器を惜しみなく出し続けることが出来ます。

だとするなら長男にとっての武器は,あのキャプテン翼と呼ばれたころの強烈なゴールへの意欲です。

結局のところ,子どもの武器は幼少の頃のプレースタイルなのかもしれませんね。

 

私は親として長男が職業としてサッカー選手になれなくても仕方がないと思っています。

それには運も必要ですし,タイミングもあります。

でも,それを全力で目指した過程には将来の長男にとってとてつもない価値があると思っています。

だからこそ,まだまだ若い長男には荒々しく,強烈な個性で,目標に向かって突き進む青春時代を過ごしてほしいです。

それが「弾丸になれ」です。

この話を長男としてから少し吹っ切れたのか,同年代のガビ選手の動画を再び観始めました。

自分が行けると判断したのなら100%の自信を持って突き進む。

それが上手くいかなかったら自分でボールを奪い返したらいい。

それが昔の長男です。

 

今日は3月上旬。

もうすぐ新1年生がユースチームに練習参加してきます。

たくさんの荒々しい弾丸がチームに増えます。

その中でもより速く強い弾丸を目指して長男には青春をしてもらいましょう。