エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

競技サッカーを続けるために

近頃は投稿頻度を上げています。

たった一人でも読んでいただけるのであれば,このうんちくにも価値があると思うので出来るだけ続けていきます。

今回は生涯スポーツとしての競技サッカーについてです。

 

日本サッカー協会は年代ごとに種別しています。

ジュニア期が4種,ジュニアユース期は3種,ユース期が2種,大学と社会人が1種です。

日本で公式戦と呼ばれる試合に出場するためには,日本サッカー協会に選手登録をする仕組みになっているので,必ずどこかの種に属します。

このことは選手をしていると案外知らないと思います。

私も社会人時代に県協会の社会人部代表を経験して知りました。

正式にサッカーをプレイするということは,日本サッカー協会と言う大きな組織に属するということになるのです。

ちなみに選手登録料も発生しますし,チーム登録料も必要です。

社会人なら所属しているリーグに登録料も払います。

地域協会にも所属料を払います。

実はグラウンド使用料も払いますし,審判派遣費を払ったりもします。

このようにしてようやく公式戦に出場できるのです。

 

育成年代のこども達はこんなことを知る必要はありません。

夢中になってサッカーをプレイすれば良いと思います。

ただし大学以外の1種,つまり社会人になってからは別です。

夢中になってサッカーをプレイするためにお金がかかることを知ります。

私はこの社会人からが本当の競技サッカーだと思っています。

働いたお金をサッカーのために使います。

どんなに仕事で疲れていても,夜にはグラウンドで汗を流し,週末の試合に向けて体を追い込みます。

少ない休日はサッカーの試合に費やし,週明けにはまた仕事へと向かいます。

保護者が何でも用意してくれていた育成年代では考えられないと思います。

どうしてここまでしてサッカーをプレイするのでしょうか。

40歳まで社会人でプレイした私の経験からすると答えは一つしかありません。

それは、

「サッカーが好き」

だからです。

それ以外には考えられません。

年齢が上がれば仕事の責任は重くなりますし,家庭の事情も増えます。

それでも睡眠時間を削って,老体に鞭を撃ってでも,プレイを続ける理由は「好き」しかありえません。

私は引退する間際まで東海リーグや県1部リーグでプレイ出来ました。

プロのJリーグを除いた社会人のトップリーグであるJFLと比べたらカテゴリーは低いですが,それでもバリバリの若者の中でプレイ出来たことは,私にとっては良い思い出です。

 

ですが,勝利至上主義になりやすい育成年代で過ごしたこども達は,燃え尽き症候群になってしまい,あっさり競技サッカーを辞めてしまいます。

「もうきついサッカーはしたくない。」

「プロになれなかったから。」

「これからは遊びたい。」

気持はものすごくわかります。

でもこれまで費やしてきた時間とお金のことを思うと,サッカー選手として大切なことを知る前に辞めてしまうことは,育成の失敗ではないかと考えてしまいます。

自分に合ったカテゴリーで競技サッカーが続けられる環境が必要。

プロになれなかったとしても本気で勝敗を競えるリーグがあれば,生涯スポーツとしてサッカーを人生の一部に出来るのではないでしょうか。

 

私は20年以上前の社会人部代表時代に,「県1部リーグは出来るだけ芝生のグラウンドで試合をしよう」と提案しました。

土のグランドが当たり前だった時代だったので,各チームの代表にまあまあ困惑されました。

それでも皆さんが心意気を見せてくれたので,芝生のグランドを用意してくれるチームが増えました。

これまではチームの持ち寄りだった試合球は,東海リーグと同じボールを各チームで購入し,県リーグでも使うようになりました。

高校や大学の頃に全国大会でプレイしていた選手が県リーグでプレイするなんて格好が悪い。

そんな気持ちになるのも分かります。

でも芝生のグラウンドだったら,公式ボールだったらどうでしょう。

これで県1部リーグの価値が少しだけ上がりました。

私は常々,下のカテゴリーの環境が変わらないと競技サッカーの人口は増えないと思っていたので,この変化は小さな変化かもしれませんが,確かな一歩を踏み出すことになったと思っています。

現在は人工芝のグラウンドが増えました。

地域協会のリーグ戦でも人工芝のグラウンドで試合を出来るようになりました。

学校のグラウンドや地域の公園が試合会場になることはまだまだ少なくありませんが,これらも少しずつ変わっていって欲しいと思います。

 

最近のこども達は,私達の頃に比べたら豊かです。

ユニフォーム,スパイク,ボール,グラウンド,何もかもがキレイです。

だから辞めたらもったいないです。

いつまでも本気でサッカーをプレイしてほしいです。

そのためにも,生涯スポーツとしてサッカーをプレイ出来る人材の育成が,育成年代には求められると思います。

今回はこのブログを通してちょっと啓発してみました(^^♪

皆さん,好きなことに夢中になれる人生を大切にしましょうね。