エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

生かす選手と生かされる選手

長男はPK戦の末に勝利し,明日は5位決定戦となりました。

この試合を観戦していて,感じたことを綴ります。

それは「生かす選手」と「生かされる選手」についてです。

例えばFCバルセロナ時代のチャビ選手は「生かす選手」でメッシ選手は「生かされる選手」です。

当時のイニエスタ選手はどちらにもなれていました。

現在のメッシ選手はどちらにもなっています。

相手手チームの10番はボランチ(スペインで言えばピボーテ)で「生かす選手」で,右ウイングの11番は「生かされる選手」でした。

FCバルセロナで例えるならブスケツ選手とメッシ選手の関係に近いです。

役割が明確なので,相手チームは低めの位置から10番にボールを集めます。

10番は長短のパスを使い分けながらボールの循環の起点になり,最終的には外側に張る11番のドリブルを生かします。

奈良クラブは何度も11番にスペースを与えてしまい,カットインされては決定的な仕事をされました。

決してこの2人だけでサッカーをしているわけではありませんが,ストロングが明確なのでチームとしても迷いが少なく実行できていました。

長男は「10番にプレスに行きたいけど,2対1を作られるし,位置が低いから11番の対応もしなきゃいかんから出れやん。」とぶつぶつ言っていました。

長男は1-4-3-3の左インテリオール(インサイドハーフ)ですので,どうしても相手の右ウイングである11番のケアもしなければいけません。

それも11番は左利き。

終始10番と11番に手を焼くことになりました。

それでは奈良クラブはどうでしょう。

「生かす選手」と「生かされる選手」の関係は出来ていたのか。

長男はポジション変更が出来るので「生かす選手」であり「生かされる選手」でもあります。

しかし基本は「生かす選手」です。

長男にボールが集まればボールの循環の起点になれるし,「生かされる選手」に決定的な仕事をさせてあげられます。

でも長男は「俺にボールが入らん。俺が悪いんかな。」と嘆いています。

相手チームの友達には試合中に「ライン間に人がいないから守りやすい。」と言われたそうです。

長男は何とかライン間にポジションをとったり,仲間のためにスペースを空けたりするのですが,思うようにボールが入ってきません。

「コンパクトを意識してずっと行ったり来たりしているから,たまにボールが来たときに,ボールフィーリングの感覚が悪いんよな。」

と言っていました。

こんな感じなので,3試合連続でフル出場だったこともあり,肉体的にも精神的にも疲労困憊でした。

「なんかさ,相手が楽しそうに笑ってサッカーしていてさ,ムカつくというか,うらやましいんよな。俺なんかずっと守備してる。」

それでも必死に走っていた長男の姿から,私は長男が目指すプロサッカー選手に近づいてきたなと思いました。

自分がやりたいことをやるだけでいいのなら,別にプロじゃなくてもできます。

でもプロになればどんな状況でも勝利のためにプレーしなければいけません。

上手くいかない中でも接戦で勝ちきれたということは,チームの勝利を優先できたということなので,きっと長男のメンタルをたくましく育てていると思います。

明日は「生かす選手」になれるように,もっとチーム内でコミュニケーションをとって,自分にボールを集めさせてほしいですね。

上手くいかないということは,上手くいくための学びがあるということです。

今は育成中。

今日も明日も,これから先もまだまだ学んでいきましょう。

その先には結果を求められるプロの世界が待っています。