エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

価値のある勝負に拘る

久しぶりの投稿です。

今回の投稿は全くの私見であり持論なので興味の無い方はスルーしてください。

 

二男のクラブユースに引き続いて長男のクラブユースもあっけなく終わりました。

私はそもそも育成年代の全国大会不必要派なので,この大会にかけているわけではありません。

どんな試合であっても真心を込めてプレーすることが何より大切なので,この大会であってもどんな試合の一つだと思っています。

ただしそれはあくまで育成を目的にした内容が伴う試合という意味です。

 

例えば二男の場合,ジュニアユース最終年代の試合としてはそれなりに納得のいく内容だったように思います。

どうしても勝ちたい両チーム。

相手はハイプレスでショートカウンターを狙うハードワークをベースにした戦術。

奈良クラブジュニアユースはこれまで通りでエリア1からのビルドアップをベースにした有効なスペースを作り使う戦術。

その結果が痛み分けでした。

どちらにも課題が残る価値のある敗者となりました。

 

では奈良クラブユースはどうだったのでしょうか。

相手は完全にリスクを回避したダイレクトプレーに徹し,ロングスローとセットプレーに勝機見出す戦術でした。

一方奈良クラブユースはGKを使ったエリア1からのビルドアップをベースに,相手に合わせてポジションチェンジを交えながら有効なスペースを使って前進をしていく戦術です。

相手はローブロックを形成してひたすらロングカウンターを狙ってきました。

結果は相手の勝利。

前半にFKからの得点を守り切りました。

これもサッカーです。

勝てなかった奈良クラブユースが悪いと言われればそれまでです。

でも育成年代の試合でこの戦術は若者のためになっているのでしょうか。

彼らは勝利のために,全国大会出場のために,育成年代で学ぶべき原理原則を放棄してしまったように思います。

セットプレーを増やしては,その都度最大限の時間を費やしてリスタートする。

奈良クラブゴール前にボールを放り込み事故を誘発する。

不必要にファールやマイボールをアピールして審判や奈良クラブの選手の精神を揺さ振る。

「勝ちたいし全国大会に出たい。」

この感情がこのようなサッカーを正当化してしまうのであれば,育成年代の全国大会がもたらす弊害でしかないと思います。

「負けたら終わり。」

勝ち負けのあるスポーツには全く不必要な感情です。

勝ったり負けたりするのがサッカーなのですから。

 

とはいえ長男は試合にフル出場させてもらいました。

出場できなかった選手がいたことを思えば有難い経験を積ませてもらいました。

長男はそのことを理解していたのでしょう。

必死になってボールを奪いに行っていました。

終了間際になっても自陣深くまで戻ってスライディングを繰り返してマイボールにしていましたし,そのボールをGKに渡して全力で元のポジションに戻っていきました。

センターサークル付近でボールを受けるとターンをしてドリブルを仕掛けて,相手を振り払って強引にシュートをしていました。

このようなプレーが出来たことは長男の成長です。

私も観ていて久しぶりに長男のプレーにワクワクしました。

選手の情熱に観客は心を揺さぶられるのです。

まさにこれがプロスポーツの原点ですね。

 

負けたことは残念でしたが,チームはこの敗戦も選手の成長の過程ととらえています。

より強度の高い相手とのTMを組んでくれるようです。

きっと選手たちは気持ちを切り替えて,新たな相手に全力で挑んでくれることでしょう。

それは長男も同じです。

先日のトップトーレニングでは,トップの選手達と一緒に必死に走ったそうです。

足がもつれるまで走った長男は

「めちゃくちゃきつかったけど,やっぱりトップは楽しいわ。食いついてきてくれるからやりたいことが出来るし。」

と言って充実した表情を見せてくれました。

 

勝っても負けても育成は続きます。

価値のある勝負こそが育成年代に必要な試合です。

だから私はエコノメソッドを信頼しているのです。