エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ガチンコ子育て話

子どもたちの本音と本気

子どもの日

子ども達が小さい頃は一緒にお出かけをしたり、鯉のぼりを飾ったりしていました。
三兄弟なので兜も飾りました。さすがに柏餅は作りませんが買ってきて食べたりもしました。
祖父母とご飯を一緒に食べることも子どもたちの楽しみでもありました。
母方では恒例のうなぎ。父方では鶏の唐揚げ。
ごく普通の子どもの日です。

サッカー中心のGW

長男のサッカーが忙しくなるとゴールデンウィークはサッカーが中心になりました。
特に覚えているのが三兄弟が所属していたチームがゴールデンウィークにJリーグ観戦を行っていたことです。
残念ながら三重県はJリーグ所属チームが不在県ですので、名古屋グランパスの試合を観に行っていました。
私はトップチーム選手兼任コーチとして引率をしていました。子どもたちは華やかな舞台でプレーする選手たちを観て、瞳を輝かせていました。
とても素晴らしい取り組みだと思います。
いつだったでしょうか。バスの後部座席から楽しい声が聞こえてきました。
「毛細血管いっぱいつまっているとこ、わき~!!」
二男です。小さい頃の二男は今よりもずっとひょうきんでした。
でも、長男に負けたり、がむしゃらな仲間に譲ったりするうちに、少しずつ遠慮するようになっていきました。
二男は本来とても優しい性格です。
だから、普段から自分をあげていくスイッチを入れないといけません。
豊田スタジアムに行ったときです。上段の席からヤジが聞こえてきました。
「へいへいレフェリー、ラインでてるよ!!」
三男です。本来的にノリで生きている三男は今が楽しいことが全てです。
だから、周りの観戦者も苦笑いするほど満喫していました。
でも、小学校高学年になり、三男は本来の良さを失っていきました。
トレセンなどのセレクションに苦痛を感じるようになったのです。
楽しくサッカーをしたいのに認められない。
評価を気にしたプレーをする仲間たちへの疑問。
新しいチャレンジをすることが嫌になりました。
私が長男を中心に子育てをし過ぎたつけです。
二男、三男、長男と同じ人格ではないのに長男と同じものを求めすぎたことで、二男と三男を苦しめてしまいました。

奈良から三重から

さて今年のゴールデンウィークはというと三重県と奈良県の両方で過ごせました。
前半は三重県で、後半は奈良県で。
三重県に帰る日の奈良県は土砂降り。
二男も長男もサッカーの試合でずぶぬれ。
長男に至っては懐かしの田んぼサッカーでした。
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二男は初めて三重県を離れて1ヶ月間奈良で過ごしましたので、故郷の有りがたさを実感していました。
祖父母も久しぶりの二男との時間を喜んでいました。
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長男は家族との時間が増えて穏やかな表情をするようになっていました。いわゆる反抗期も終えたようです。ただし,これからは生き残りをかけた厳しい競争が待っています。色々と進路についても悩むでしょう。長男は少しずつ大人の階段を上っています。
現在は三男が一番難しい状態です。嫌なことや面倒くさいことから逃げるようにマンガやアニメ、友達遊びに入り込んでいきます。
私は叱りすぎてはいけないと我慢していましたが、やっぱりこのままだと嫌だと思いました。そこでトランプをもちかけました。
奈良に引っ越す前はよくやっていた遊びです。
すると徐々に三男も本来の調子に戻っていきました。最後にはポーカーで三男が独り勝ち。ノリノリで終わりました。
すぐに長男と二男のサッカーの都合で奈良に戻りました。
ゴールデンウィークも後半です。
長男はクラブユースという大会の予選が始まりました。
初日は大阪、二日目は京都。
長男は試合で相手と戦い、私は試合会場への送迎の渋滞との戦いです。
ちなみに二日間とも渋滞との戦いはギリギリの勝負で私の勝ちでした。
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二男は信貴山グランドで練習でした。初めての留守番も難なくこなしました。実家にいたときよりたくましくなりました。
4日には連れ合いと三男が奈良に来ました。
三男は長男の試合が無観客になったので急遽ポケモンセンターキョウトに買い物です。
これまでの私は三兄弟にサッカーのことばかりを求めてしまいました。だから、三男はサッカーが大嫌いではないですが大好きでもないという状態になっています。
当然,ポケモンセンターでも三男は大好きなポケモンのぬいぐるみを大事そうに抱えていました。ちょっと複雑です。
夜は全員で外食。奈良での外食は初です。
ラスパ西大和という施設で食事と買い物も兼ねました。
三男はひたすら長男に甘えました。長男も応えてあげました。
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本音が本気へ

その帰り道、私はこのGW中に何とかしようとしていた作戦を成功させるために三男にあることを伝えました。
それは,
「ワーチャレの街クラブ選抜のセレクションに申し込んだ。(嘘)」
です。
三男は一瞬で黙り込みました。
実は三男は昨年度は落選しています。このことも三男には嫌な記憶です。
だから、今年は「受けない。」と言いきっていました。私は本人の自主性を尊重しようと我慢していました。
でも三男はそれを良いことにしてか、あれも嫌これも嫌と言うようになっていました。
そこで私なりの勝負をこのタイミングで切り出したのです。
「三男の本音を引き出したい。」
それがこの作戦の本当の目的です。
結局、この作戦遂行には一時間半かかりました。
最後は,これまでに様々なチャレンジを繰り返してきた長男のアドバイスが決めてになりました。
三男は長男も「自分と同じようにサッカーやチャレンジに不安があったんや。」と知りました。半泣きになりながら本音を語ることができた三男は妙にスッキリとした表情になりました。
三男は嘘ではなく本当にワーチャレ街クラブ選抜のセレクションに申し込みました。
奈良県で暮らす長男と二男。
三重県で暮らす三男。
それぞれがそれぞれの想いを抱えています。
それでもチャレンジをする目的が整ったゴールデンウィークになりました。
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結局のところ,子どもの将来には親の関わり方が大きく影響します。長男がサッカーで未来を切り開く生き方を選んだことで,その生き方に二男と三男の性格や気持ちをあまり尊重しないで巻き込みすぎてしまいました。

私は二男と三男に対して申し訳ないです。ですが,引くに引けない気持ちもあります。これからもきっとガチンコになってしまうだろうなと思っています。