3年分の家族時間
奈良に来て,食事や睡眠,勉強へのストレスの軽減したことで,長男は穏やかな表情を見せるようになりました。
一般的に言えば16歳になる年齢の男子なら,反抗期は当たり前だと思いますが,我が家は中学校3年間を離れて過ごしたことで,当たり前を身近に感じることはできませんでした。
だから,山梨の中学校を卒業してから奈良に来るまでの1か月弱は反抗期の長男とひたすらケンカでした。
親子関係は感情論です。
ぶつかり合いばかりで,お互いがモヤモヤした時間を過ごしました。
奈良に来る前日までけんかをしたので,不穏な雰囲気のまま奈良生活が始まったぐらいです。
今は中学校生活の3年間を取り戻しているような感覚だと思います。
長男は妙に甘えてきたり,いろいろと質問をしてきたりします。
だから,できるだけ大人と話すような感じで,正直に私のこれまでの人生や今感じていることを語っています。
エコノメッソッドを生かす応用力
さて,長男は山梨県でエコノメソッドを徹底的に学んできました。
だから,言葉ではうまく説明できなくても,「相手がこうだからこう」と言った感じでプレーできるようです。
でも,今はそれが長男を混乱させているようです。
つまり,学んできたことを試合で「応用」できずに,学んできたことに試合の中で「無理やり当てはめよう」として,うまくいっていないと感じているのです。
いわゆる「応用力」の問題です。
ここがまだ十分に育っておらずに,うまくいかない原因を仲間やチームに求めすぎているのだと思います。
プレーしている表情は明らかに暗く,単純なミスを繰り返し,イライラしているのが分かります。
私は長男を導くためにこのことを伝えるか悩みました。
彼の人生は彼の物であり,導きすぎると自分で解決できなくなるからです。
「鉄は熱いうちに打て」
長男が何とも煮え切らない態度をしているので,意を決してこちらから切り出しました。
「そんなに楽しくないなら一度サッカーから離れろ。
そんな顔でプレーしていたら,試合に出ていない人がかわいそうやろ。
サッカーはスポーツやから別に人生に無くても困らないものや。
だけどな,サッカーをしたくてわざわざ奈良にまで来たんやろ。
お前は飯も作ってもらえて,掃除や洗濯もしてもらえる。
学校に通わなくてもいいし,グランドに送ってもらえる。
サッカーをするためにストレスはない。
だからサッカーを仕事にしたいなら,ごちゃごちゃ言い訳ばかりしてないで,いつも120%でやらないと誰もお前を信用しやんで。
自分に甘えるな。」
言い出すと止まらなくなりました。
「やってしまった・・・・・。」
また反省です。
「虎」になれ!
でも,長男はキッと目を吊り上げて,自主練に取り組みだしました。
ムカついたんでしょうね。
今は科学的な根拠のあるトレーニングが進歩しました。
だから,科学的な効率の良いトレーニングは効果が高く,ケガの防止にもつながります。
ですが,それはあくまで「120%でトレーニングに打ち込めるメンタル」を持っている人だからこそ成立する話です。
「もうやめとけ。」と言われるまで夢中になって打ち込むぐらいでないと強靭なメンタルなどは育ちません。
長男は自主的に自分から自分を追い込み出しました。
後で聞いたら「きつ過ぎた。」と言っていました。
私は栄養たっぷりの夕食をつくりました。そして,ゆっくりたっぷり睡眠をとらせました。
長男はファン・ペルシー〈元オランダ代表)の言う「虎」に近づくでしょうか。
これからも未熟だからこその伸びしろとして,ぶつかり合うこともあると思いますが,ぶつかり合えることに幸せを感じて,応用力を向上させていきたいと思います。
以下はツイッターから引用させていただきました。
素敵な情報をありがとうございます。
ロビン・ファン・ペルシーが息子にかけた言葉。
出来るだけ多くの方に見てほしい動画。
めちゃくちゃ良い事言ってる。 pic.twitter.com/MA3MJNsGIB
— Taiki Matsumura (@dec12171985) May 20, 2020