夏らしい日が続いています。
今日からインターハイやクラブユースU18が始まりました。
インターハイはインハイTVで視聴できるのでありがたいです。
開始時刻は午前11時台があるので,くれぐれも体調管理には関係者や指導者は注意を払ってほしいと思います。
できれば夕方に開催してほしいところです。
目標と趣旨
さて,読書感想文の「国語力を高める」ことについてです。
小学校教育には文部科学省が定めた学習指導要領というものがあり,国語科の目標は以下の通りです。
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次の通り育成することを目指す。
(1)日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
(2)日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(3)言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
読書感想文は後援が内閣府文部科学省の「第68回青少年読書感想文全国コンクール」の取り組みとして行われていて,コンクールの開催趣旨は以下の通りです。
◇子どもや若者が本に親しむ機会をつくり、読書の楽しさ、すばらしさを体験させ、読書の習慣化を図る。
◇より深く読書し、読書の感動を文章に表現することをとおして、豊かな人間性や考える力を育む。更に、自分の考えを正しい日本語で表現する力を養う。
しつこいですが私はサッカーが大好きです。
サッカーは本質や原則といった根本の部分がとても大事です。
サッカーはチームスポーツですので,一人ひとりの考え方がバラバラだとチームとしてのまとまりができません。
チームで同じ方向に向かうためには本質や原則といった根本の共有が必要不可欠なのです。
読書感想文はサッカーとは違い個人の取り組みですが,国語科の学習なので目標やコンクールの趣旨を理解しないと,サッカーと同じで思考が整わなくなってしまうのです。
何のために読書感想文を書くのか
さて書く目的が明確になれば,目的に向かって突き進むのみとなります。
この目的の達成こそが「国語力の向上」です。
ただし,こういった目的や目標,趣旨などは少し硬い表現になっているので,理解することが難しいです。
だから何度も出てくる表現や特徴的な言葉に注目することを進めます。
国語の目標だと,
国語,言葉,言語,適切,日常生活,表現,思考力,想像力,伝え合う力
とするなら,私なりに超要約すると,
日常生活に必要な国語(言葉)を適切に表現するために,様々な言語活動を通して,思考力,想像力,伝え合う力を養う。
こんな感じでしょうか。
すると読書感想文で身に着けたい「国語力」は,
読書感想文を書くと言う言語活動を通して,思考力や想像力,伝え合う力を育てる。
と考えられます。
読書感想文コンクールの趣旨で見ると,
読書習慣,感動,(文章に)表現,豊かな人間性,考える力,
とするなら,
読書習慣を身に着けるとともに感動を文章に表現することで,豊かな人間性や考える力を身に着ける。
と要約できます。
もっともっとまとめるなら,
読書感想文で高める国語力はズバリ,
「言語活動を通した豊かな人間性の向上」
です。
簡単に言えば,読書感想文を書いた後に読み手の人間性が豊かになることがとても大事だと言うことです。
心が動いた本を選ぶこと
目的が整理されたところで再び考えてみます。
前回紹介したマニュアルを写してしまった子どもは豊かな人間性が向上したでしょうか?
妹の作文を写した中学校の頃の私はどうでしょうか?
与えられた宿題をこなしただけで,国語科が求める思考力や想像力,伝える力などの豊かな人間性は向上していません。
そこで私なりの提案です。
発達段階に合った本を選ぶことは必要ですが,読書感想文を書くことだけを目的に本を選ぶことはやめましょう。
単純に題名が面白いとか表紙がきれいとかあらすじを観て興味がわいたなど,直観で心が動いた本を選ぶことをお勧めします。
さらに言うなら読み切る必要もないと思います。
人間性が見える文章を書く
自分の心が動いた場面や言葉に注視して,なぜ心が動いたのかを自分の生活と絡めてダラダラと書けばいいのです。
読み手に伝わるように適切に表現することは大事なのですが,まずは書き手である自分に伝わるように書きましょう。
小学校高学年だと2枚半以上3枚までという縛りがありますが,それはあくまでコンクールの選定基準です。
選定基準を満たせば国語力が高まると言うわけでもありません。
自分の気持ちを文章で伝えることの方がよっぽど大事です。
例えば,昔話の桃太郎を読んだとして,
「私はなぜ桃が川から流れてきたのかが疑問です。
上流に桃の木があったのか,それともおじいさんやおばあさんに神様がプレゼントしたのか。
桃の中に子どもが入っていたことから考えると神様のプレゼントのように思います。
子どもがいなかったおじいさんとおばあさんは,桃から子どもが生まれたという驚きよりも,子どもを育てることができる喜びのほうが強いことからも分かります。
もしかしたら,コウノトリが赤ちゃんを運んでくると言う話があるように,昔は子どもが生まれることと言うのはとても不思議なことだったのかもしれません。
私の家では去年弟が生まれました。弟は桃太郎のように元気に生まれてきました。
おじいちゃんとおばあちゃんは生まれたばかりの弟を見て・・・。」
的な感じです。
桃から子どもが生まれるなんて面白すぎですし,そのことを受け入れるおじいさんやおばあさんも素敵すぎです。
まとめ
「読書感想文を書く」ことが「読書感想文コンクールに出す」こととイコールになってしまうことが問題のように思います。
直感で選んだ本を読んで,感想を書き,自分の人間性を高める。
コンクールの結果はおまけです。
おまけに期待すると,認められる文章を書こうとして,窮屈になるだけです。
豊かな人間性を表現できたら,先生にはきっと伝わりますから,結果として,
「Aさんの作文はAさんの生活が見えていて素敵やから,もっと素敵になるように一緒に直そうか。」
と声をかけられるはずです。
嫌なら断ってもいい…のかな?
今回の投稿はあくまで私の経験談と持論ですので正解ではありませんが,夏休みの宿題で困っている方の参考になれば幸いです。
この機会に読書習慣を身に着けて,豊かな人間性を育てる機会にしてくださいね。
さて私も今から読書します。
読書感想文は書きませんが(^_-)-☆