ボールを循環させたい
サッカー協会主催の伊勢招待と言う大会があります。
長男が5年生,二男が3年生の時でした。
私は長男の学年を担当していました。
5年生になったことでチームとして「ボールを循環させる」ことに取り組んでいました。
ボールの循環は言葉ほど簡単ではありません。
「止めて」「蹴る」という当たり前の技術の質と相手から遠いスペースにボールを「運ぶ」という技術がチームに定着していなければいけません。
最低三人の関係が必要になります。
二男の特徴を生かす
そこで5年生の中に二男を加えて,1-2-3-2という選手配置で大会に臨みました。
この選手配置は最初から三角形(ダイヤモンドでも良い)がたくさんできている配置です。
5レーンで考えると全てのレーンに人が配置されていて,ディフェンスライン,中盤のライン,フォワードのラインがずれているという特徴があります。
まさにボールの循環を課題にしていたチームには最適な配置です。
二男はディフェンスラインの2の片方に入りました。
なぜかと言うと二男の特徴が,相手から遠いところにボールを置くことができ,両足が使えて,シンプルなプレースタイルだからです。
つまり二男は派手ではないですが,そのかわりにボールの循環をよどませない選手なのです。
大会開幕
二男は5年生の中に入ることだけでなく優勝をかけたカップ戦なので多少ビビっていましたが,予想通りゴールキーパーからのビルドアップの際に効果的なプレーを見せました。
ゴールキーパーが持てばサイドに開いてボールを受け,サイドハーフかセンターハーフ,もしくは2トップの片方にパスを出す。
相手がどこを切るかでそのパスを使い分け,前進が難しければゴールキーパーに下げる。
これをシンプルに続けたのです。
と言うかこれしかできません。
二男からボールが入ることが分かっているので5年生はサポートに入りやすく,迷いの無いプレーができていました。
長男はセンターハーフに入っていることも二男にとっては安心材料でした。
「困ったら長男にパスを出そう。」
そう決めていました。
サッカーはチームスポーツ
この大会は全勝で優勝しました。
県内外の強豪チームのプレスの中でも,ボールを循環を試し続けられたことは成果でした。
決勝では不安のあった守備面で二男はミスをしてしまい先制を許したのですが,長男から「困ったら俺に出せ。」と言われて,長男が二男へのサポートを早めたことで,気持ちを持ち直しました。
サッカーはチームスポーツ。
11人制サッカーに向けてチームとしてプレーすることが高学年では大切になります。
チームとしてボールを循環することの大切さや価値を学んだ5年生と二男を含めた3・4年生は,冬のチビリンピックで3ピリというルールの中で三重県4位と言う結果を達成するのでした。
その大会も二男はセンターバックの片方としてプレーしたのでした。