サッカーで大事なことは「スペース」と「時間」だと思います。
コートの広さと出場選手は決まっているわけですから,ボールを動かしていく過程でどこかが混んでいて,どこかが混んでいないことになります。
混んでいるところにはスペースと時間が無く,混んでいないところにはスペースと時間が有るということになります。
だから混んでいないところを見つけながら相手ゴールまで前進していくのがサッカーでは大切だと言うことです。
例えば相手が2トップでプレスをかけてきたなら,4バックなら2人がスペースと時間を持っていて,3バックなら1人がスペースと時間を持っていることになります。
ここにGKを入れたらスペースと時間を持っている選手がさらに1人追加になります。
サッカーは11人対11人ですので,状況に合わせて誰がスペースと時間を持っているのかをチーム全員が共有していなければいけません。
もしそれが出来ていないと,どこかにほころびが出来てしまい,そこから前進されてしまうことになるからです。
安定して勝てるチームほどスペースと時間の共有が出来ているわけです。
この考え方はサッカーの面白いところでもあり,難しいところでもあります。
例えばGKを除いて全員がマンツーマンでついてしまったらどうなるのでしょう。
一見,誰もスペースと時間を持っていないように見えます。
でも攻撃側の選手がピッチの端に集まってGKボールを預けたらどうなるでしょう。
GK同士で1対1をすることになってしまいます。
そうなったらちょっと面白いですよね(^^)
でも実際はそうはなりません。
マンツーマンと言っても得点を奪われたら試合に負けてしまうわけですから,あくまで得点を奪われないことを前提にしたマンツーマンということになるわけです。
だから誰かは必ずスペースと時間を持っている状態になりますが,守備側はその選手を出来るだけ自分のゴールから遠ざけようとするわけです。
練習で週末の試合に向けたチーム戦術のトレーニングをする時は,自分たちの選手配置を確認し,相手がどのようにボールを奪いに来るかを想定しながら前進方法を整理していきます。
サッカーは自由度が高いスポーツのように思えますが,チーム内には原則(決まり事)があってプレーしています。
これも当たり前のことです。
なぜならサッカーはチームスポーツだからです。
11人が勝手気ままにプレーすることはチームスポーツとは言えません。
よくトップの選手が寄せ集めでもそれなりの試合になっているのは,彼らがこれまでの経験で学んできた原則を状況に合わせて共有しながらプレーしていからなのです。
その原則の一つがスペースと時間です。
奈良クラブユースではこのトレーニングを丁寧に行っています。
勘違いしてほしくないのですが,選手をチームの決まり事で締め付けているわけではなく,様々な状況に合わせて経験の中から的確な判断ができるように育てているだけなのです。
サッカーの理解度が高くチームを勝利に導ける選手を育成しているのが奈良クラブであり,エコノメソッドがアドバイザーとして選手の指導に関わっているのが奈良クラブなのです。
数年後には奈良クラブから育った選手たちが,様々なカテゴリーで存在感を見せることは間違いないです。