9月27日,奈良クラブがJリーグから2023年度のJ3クラブライセンスが交付されました。
以下の条件を満たせばついにJリーグの仲間入りとなります。
①順位要件(JFL4位以内,かつ百年構想クラブのうち上位2クラブ)
②ホームゲームの1試合平均入場者数2,000人超
私は最も重要なことは①だと思っています。
私もカテゴリーは低いですが東海リーグ昇格を5回失敗しています。
1度は静岡県の社会人リーグに所属していたときで,残りは三重県の社会人リーグのときでした。
昇格と言うのは想定以上のストレスがかかります。
失敗したらまた1年やり直さなければいけないわけですから,モチベーションの維持がかなり難しいです。
だからチャンスの時にどうしても昇格したい。
その思いが知らず知らずのうちにストレスになるのです。
特にJFLからJ3というのはとんでもなく高い壁だと思います。
アマチュアかプロか。
サッカーが仕事になるかどうか。
まさに今後の人生の分かれ道です。
現在の奈良クラブは3位につけています。
①の要件で言うなら現時点ではFC大阪と奈良クラブがJ3に昇格できます。
しかし4位のラインメール青森,5位のヴェルスパ大分はライセンスを交付されたチームです。
差は勝ち点2しかありません。
今後の試合結果では入れ替わる可能性も十分あります。
10月9日(日)にはアウェイでラインメール青森と直接対決があります。
この試合は決戦です。
そう考えると9月30日(金)のFC大阪戦がものすごく重要だと言うことが分かります。
FC大阪に勝利して勝ち点3を得ることができるとJ3昇格に向けて間違いなく優位に立てます。
だからこそストレスがかかる。
前節のヴェルスパ大分との直接対決で3失点しての敗戦は,目に見えない重圧が選手達にのしかかっていた可能性があるのです。
もともと今シーズンの奈良クラブは失点が少ないチームです。
堅守がストロングポイント。
そのチームが3失点したわけですからそこには魔物がいたのでしょう。
対戦するFC大阪は奈良クラブとの中断の試合後も好調をキープしています。
選手の配置は1-4-4-2または1-4-2-3-1で堅守がストロングのチームです。
しかし同じ堅守でも守り方が違います。
FC大阪は前から組織的にプレスをかけたり,ミドルブロックで相手をはめたりしながら,ショートカウンターで得点を奪いたいチームです。
JFLにはこのようなチームが多いのですが,1年間のシーズンで安定した結果を残すためには妥当な戦術だと思います。
一方,奈良クラブは数的優位を作るアグレッシブなプレスとネガティブトランジションの早さやミドルサードでの粘り強い守備をベースに,GKを使った丁寧なビルドアップでゴールを目指すチームです。
だからFC大阪にとっては奈良クラブは実にはめやすい相手です。
前回の中断した試合も,奈良クラブは序盤こそ絶妙なボール運びからシュートに持っていくシーンが生み出せましたが,時間がたつにつれて徐々にはまりだしていきました。
では今回はどうなのか?
私が考えるこの試合の見所は以下になります。
奈良クラブのプランAに対するFC大阪のプランA。
それに対する奈良クラブのプランBとFC大阪のプランB。
さらにはプランCがあるのか無いのか。
奈良クラブがこれまで通りの幅を使った攻撃にどれだけ縦方向(斜め前)へのサポートの数を増やすかがポイントだと私は思っています。
それが出来れば,いつものようにダイナミックなフリーランで数的優位を作ってゴール方向への大波を起こすのみです。
そのためにはブロックで対応する相手のライン間が使えるかどうかにかかっています。
そこにボールを差し込む。
それが生命線。
それでも調子がいいFC大阪は粘り強く対応すると予想できるので,ポジションバランスを意図的に崩して相手を混乱させることができる選手の起用も鍵だと思います。
相手のバランスを崩すためにこちらもわざとバランスを崩す。
見所が多い試合になることは間違いありません。
平日開催かつ18時キックオフという問題はありますが,この試合をグランドで観ないのはもったいないです。
条件②も確実に達成しなければいけませんので,ぜひ歴史的な一戦を目撃するために会場に駆けつけてください。
というように外野は勝手なことばかり言います。
でも楽しんでいます。
選手は試合に向けてかなりのストレスを感じていると思います。
でもこのストレスすら楽しみに変えられる選手がプロとしてプレーする選手だと思うのです。
ストレスを楽しむ。
そのためには育成年代から勝負にこだわり,勝負を楽しみ,勝負を当たり前にある日常のトレーニングが大事です。
勝つこともサッカー。
負けることもサッカー。
でも勝った方が楽しいに決まっている。
だから練習する。
練習で120%取り組んだ選手だけが試合で100%の力を発揮できるのだと思います。
奈良クラブの選手たちはきっと120%取り組んでいます。
なぜなら彼らは奈良サッカーの歴史に残る仕事人になれる可能性があるからです。
私たち外野は奈良クラブのサッカーを純粋に楽しむのみです。
それが奈良クラブのためになります。
奈良のサッカーのためになります。
共に行こう,この先へ,Vamos 奈良クラブ!