今日は長男が朝一でTMでした。
場所はナラディーアです。
集合が8時だったので7時30分に自転車で出発しました。
吐息が白くなるほどキンと冷えた早朝です。
それでもギリギリまでイニエスタ選手やガビ選手,最近お気に入りのミカエル・ラウドルップ選手の動画を観る余裕がありました。
近いって本当に有難い。
私はご飯をセットし,コンソメスープを用意しました。
二度寝に突入する二男に一言かけてから,歩いてナラディーアに向かいました。
急な坂道を歩いて登っていくと空が近くに見えます。
朝焼けの空を飛行機が優雅を飛んでいきました。
ナラディーアに着くころには息が上がり汗が少しにじんでいました。
私は2面あるグランドの間のアスファルトを通って反対側にある観客席に座りました。
ちょうど東側を向いているので朝日がまぶしくてグランドがよく見えません。
私は手をかざしながら長男の試合を観戦しました。
今日は大阪の高校とのTMです。
新チームになってから初のTMですのでいろいろと試していくことになりそうです。
長男はまずは1本目35分出場。
1得点でした。
得点こそできませんでしたが長男は起点になってゴール前の狭いエリアでレイオフを使いながらシュートまでもっていったシーンは,昨年までの奈良クラブには無いオフェンスだったので期待感は持てました。
ただし,現在目標にしているガビ選手ほどのアグレッシブさにはまだまだ足りていませんでした。
長男はどうしてもバランスをとってしまったり,任せてしまったりするので,もっと危なっかしいプレーがあっても良いと思います。
若いんですから。
長男が休憩中に二男がやってきました。
二度寝から起きた二男は長男のサッカーを観に来たそうです。
ふらっとやって来れる近さ。
最高ですね。
最高ついでにもっと最高がありました。
長男のTMを観ていると上の方から話声が聞こえてきたのです。
振り返って見上げると散歩を楽しんでいたご夫婦でした。
「青のチームがボールをよく繋いでいるなあ。」
と連れ合いさんに話す旦那さん。
連れ合いさんはニコニコしながら頷いています。
散歩ついでにサッカーが観れる日常。
立ち止まってサッカーのうんちくが語れる日常。
そんな日常が奈良県の三郷町に出来たのです。
感動していると明らかに保護者ではないご夫婦が観戦スペースに腰かけました。
最初は二人並んでちょこんと座ってみえたのですが,旦那さんはもっと観たくなったのでしょうか,階段を上って少し上の段に座られました。
私はその様子にまた感激していました。
きっと世界ではこうやってサッカーに詳しい一般人が増えるのです。
わざわざ行かなくても散歩のついでに観れるから良いのです。
きっといつの間にか「サッカーが観たいから散歩する」ようになるでしょうね。
そうこうしているうちに長男は3本目の途中から出場。
二男も観ることができました。
1-3-4-1-2のボランチとして出場。
小学校時代に一緒にスペインに行った2歳年上の旧友と初めてコンビを組みました。
彼は高体連のサッカーを終えて,大学進学前までは練習生としてチームに参加しています。
私は駐車場で彼のお父さんと久しぶりに再会出来たのでそれだけで1日分は嬉しかったです。
いつもサッカーは縁をつなげてくれます。
試合後,もう帰るのかと思いきやU15の試合にも帯同すると言うことなので,コーンスープだけ渡して一度家に戻りました。
「君の名は」の世界のような道を歩いて帰ります。
家に着くと二男が2杯目の卵スープを飲んでいました。
次の試合までの時間がそれほどなかったので,私は油揚げ入り納豆玉子かけご飯とコンソメスープを二男と食べました。
二男にはおかかお握りをおやつ代わりに用意して,私はナラディーアに戻りました。
朝より気温が上がっているので息が上がるのも早く,「フーフー」言いながらナラディーアまで歩きました。
到着するともう片方のピッチではジュニアチームが保護者が観ている中で元気に走り回っています。
ついこの間までは工事車両が行き来していた場所は,すっかりサッカーの聖地のようになっています。
感慨深い光景です。
いつか見たスペインのサッカー用の施設ようです。
私は午前と同じ場所に座ってU15の試合を観戦しました。
長男は1本目だけ出場しました。
結構人見知りな性格なのであまり感情を出していませんでしたが,一応アシストはしていました。
その後はラインズマンを楽しんでいました。
いつでも「丁寧に」「一生懸命」「思いやり」を持つ。
長男なりに理解してくれたのか,ラインズマンも友だちと一緒に楽しそうにラインキープしていました。
私は午後の日差しを浴びながら少しだけ眠くなりました。
子どもたちの歓声を子守歌にしてサッカー場の観戦スペースでうたたねをする。
夢のような話です。
さてようやく長男の出番は終わりました。
時刻は15時前です。
朝からずっとナラディーアに居ました。
独りで坂道を下っていると長男が自転車で下ってきました。
「今日は1日中グランドにおったなあ。なんか子どもの頃みたいやった。伊勢フットボールビレッジに居た頃が懐かしいわ。」
と笑顔でつぶやきます。
サッカー少年にとってサッカー場は最高の遊び場です。
そんな場所が近くに出来たことの価値を長男も噛みしめているようでした。
いつかきっと奈良での生活を思い出すでしょう。
「ユースの頃はずっとナラディーアに居たなあ。最高やった。懐かしいわ。また行きたいな。」
きっとそう言って笑うのだと思います。