昨晩は最大寒波という言葉に恐怖した1日でした。
長男と二男は18時以降にナラディーアでトレーニングでしたからかなり警戒していました。
それでも日中は思っていたより雪が降ることは無く,風もひどくないので,防寒対策バッチリにして自転車で向かいました。
私もたっぷりと着込んで二人を追いかけるように歩いていきました。
ナラディーアに到着しました。
全然問題ありません。
ボードがある場所まで移動し,観戦スペースに座っていました。
するとジュニアユースの子ども達が私の前を通っていきました。
「進んで」挨拶が出来る子は少なく,私から挨拶をすると返す子が多かったのです。
だから私に「進んで」挨拶が出来た子には,
「さすがやなあ。サッカーはコミュニケーションのスポーツやからな。挨拶が進んで出来る子は上手くなるわ。」
とべた褒めしてやりました。
ある子は,
「当然すよ!」
と言って爽やかに笑いました。
やらされてする挨拶なら「思いやり」が無いのでやる必要はありません。
しかし挨拶が無い言語は存在しないということは知る必要はあります。
私はパスは挨拶と同じだと思っています。
パスが1人で出来ないように挨拶も一人では出来ません。
パスも挨拶も相手とのコミュニケーションですね。
ジュニアユースのトレーニングとユースのトレーニングが始まりました。
たまに粉雪が舞うぐらいだったのでサッカーには全く問題はありません。
子ども達は走り回っているわけですから全然余裕でしょう。
むしろ動かないコーチの方が心配です。
長男は山梨県北杜市小淵沢町にある寮で3年間生活をしました。
練習場所は標高1000mを超える場所でした。
だからこの程度の寒さは大したことがありません。
でも当時のコーチは大変だったらしく時に命の危険を感じたそうです(>_<)
そんなわけで私も観ているだけだと辛いので,ボードに向かって持参したボールでキックターゲットをしていました。
調子に乗って蹴っていると久しぶりに左足の腿裏に懐かしい痛みを感じました。
「あ,肉離れしそう。」
そう思った私は左足で蹴るのは止めました。
年齢と寒さには勝てませんね。
それでも動いていたので耐えられました。
ジュニアユースのトレーニングが終わり,ユースが紅白戦を始めました。
私は近くで観ようと移動すると暗闇に懐かしい方を見つけました。
長男が小学校のときに一緒にスペインに行った子のお父さんです。
大学進学までの間,ユースの練習に参加しているのです。
一緒に少し高い観戦場所に移動しました。
寒さが一段と増したように感じました。
粉雪は本降りへと変わり,みるみるうちに積もり始めました。
当然私たちも雪まみれです。
そんな中で伺った話が高校サッカーのことでした。
高校サッカーに打ち込んだ3年間で我が子がほとんど成長できなかったと感じているという話でした。
成長できなかったのは指導者のせい?
それとも環境のせい?
いや自分のせい?
誰かのせいにするのは簡単です。
でも誰かのせいにしたくなるというのが残念です。
完璧な環境なんてありません。
自分が選んだ場所で精一杯頑張ることが大切なのも分かります。
でも,そもそも「サッカーの捉え方」がずれていたらどうでしょうか。
ずれているわけですからどんなに頑張っても望む方向には進んでいきません。
私は話を伺っていて雪の冷たさと重なって心が切なくなりました。
その子はどんな気持ちで3年間過ごしたんだろう。
保護者はどんな気持ちで支えたんだろう。
希望を抱い始まりと無念をにじませた終わり。
真っ白になったグランドでのトレーニングが終りました。
雪ダルマみたいになって駐車場で待っていると,
「長男は小学校からずっとエコノメソッドをぶれずにやってきている。たぶんそんな子は日本では長男ぐらいじゃないかな。それがどんな形になるのか楽しみだね。」
と期待を込めて言ってくれました。
戻って来た長男はそのお父さんに会うと嬉しそうに,
「おお,○○のお父さんやん。変わってないなあ。」
と話しかけていました。
「長男はでかくなったなあ。あんなに小さかったのになあ。早いなあ。」
そう言って微笑んでくれました。
サッカーはパスを繋ぐように人を繋ぎます。
彼の大学でのサッカーがどんなサッカーになるのかは期待と不安の半々だと思います。
でも彼にはエコノメソッドという場所があることを忘れないでほしいです。
小さい頃からずっと大切にしてきたサッカーの捉え方であり,小さい頃に一緒にスペインに挑戦した仲間が今もそこにいます。
だから大丈夫。
世界基準のサッカーがここにはあります。