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長男の調理実習

今日は長男に昼食を作ってもらいました。

学校で言えば調理実習ですね。

まずは米の精米からです。

今年度は奈良クラブ農園の企画で田植えと稲刈りを経験しています。

だからこそ余計につながるものがあります。

近くの精米気に行ってコメ袋を運ぶことから全てやらしました。

玄米を眺め,白米を眺め,米粒を手に取ってぬくもりを感じていました。

家に戻ってからは昼食作りです。

長男は気に入ったものがあれば満足する性分です。

今日はまさに長男用に昼食のメニューです。

主食は地元の米を焚いた白米。

主菜は鯖のグリル。

副菜は生野菜(レタス・トマト・塩もみキュウリ)と小魚の佃煮,豆腐,キムチ,納豆,焼きのり。

汁物は大根と白菜,なめこの味噌汁。

米を焚くのはもともと出来るので私が担当しました。

まずは,味噌汁作りです。

頂き物の小魚で出汁をとりました。

その間に大根と白菜を切り,サバに小麦粉をまぶしました。

いい匂いが漂ってきたので,小魚を取り,野菜となめこを鍋に入れて煮ました。

先ほどの小魚は醤油と酒と砂糖で煮込んで佃煮にしました。

とりあえず火にかけて置いておくだけです。

次はレタスとミニトマトを洗いました。

キュウリは好みの大きさに切ってビニル袋に入れた後に塩を入れて揉みました。

長男はキュウリが好きなので嬉しそうに揉んでいました。

生野菜を皿に盛りつけた後は,水気が無くなった佃煮を皿に盛りつけました。

次は鯖です。

長男はシンプルな味付けのシンプルな料理が好きです。

魚では鯖が好きですが,煮付けはあまり好きではありません。

料理を作る側からすると色々なものを食べてほしいのですが,そのかわり楽と言えば楽です。

フライパンにオリーブオイルをしいて小麦粉をまぶした鯖を置きました。

この鯖は冷凍の鯖なので蓋をして蒸し焼きにしました。

その間にしたことは2つです。

1つ目は,味噌を溶くこと。

この味噌は頂き物の2年物の味噌と市販の味噌をミックスしたものです。

2人分の味噌の量を目分量で確認して溶かしました。

2つ目は,豆腐を切って小鉢に盛り付けることです。

キムチを添えて彩を良くするためにネギを散らしました。

長男には彩も大事だと話しました。

そうこうしている間に良い音と匂いをさせて鯖が焼けてきました。

長男はフライ返しを使って裏表を丁寧に焼いています。

これは性格でしょうね。

私はフライパンに焦げつかないようにオイルのある所で焼くように言いました。

さあ完成です。

だいたい30分くらいでしょうか。

いつものテーブルに納豆と焼き海苔用の醤油を出し,ご飯を盛り,湯呑を出しました。

今回はほとんどの調理を自分でした長男は,さも当り前ように食べ始めましたがとても穏やかな表情をしていました。

実を言うと今日は私の小言が原因で少しぎくしゃくした雰囲気になっていました。

それがこの料理のおかげですっかり元に戻りました。

食育と簡単に言いますが,その価値を本人が実感していないと,結局は学校の勉強のようにそのときだけのものになってしまいます。

今回の調理実習も同じです。

3年間の寮生活を終え,いったん伊勢に戻った長男は,残念ながら受け身な状態でした。

やりたいことはやるがやりたくないことはやらない。

やらなきゃいけないことも進んでやらない。

まあ思春期だから仕方ないのかもしれません。

そんな長男に食育を強制しても意味がないと思っていました。

私が主夫になって家事をしながらの奈良生活は10ヶ月がたちました。

少しずつ長男は,自分の人生は自分のものであること,そして自分から動き出さなければいけないことに気づき始めました。

きっとこの調理実習の意味も少しは理解してくれていると思います。

ただお腹に入ればいいのではなく,栄養のことを理解してアスリートとして体を大切にするために食べる。

いつかは一人暮らしをすることになるので,その時のための準備でもあります。

おそらく明日からはまた元の長男に戻ると思います。

でも調理をしている私を見る目は変わると思います。

そのことに期待して今日も小さな積み重ねを大切に。

長男の作った昼食はまあまあでした(^_-)-☆

ごちそうさま。