昭和二十二年に全てを改正した教育基本法。
その第一章には「教育の目的及び理念」が示されてます。
(教育の目的)
第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の目標)
第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
普段,私たちは「目的」と「目標」の違いを混同してしまいがちです。
目的と目標の関係を分かりやすく理解するなら,「目的というゴールに到達するためにそれぞれの目標をクリアしていく」と考えます。
目的は長期的なものであり,目標は短期的なものです。
別に私は教育基本法の専門家ではありませんし,そのことを深く語りたいわけではありません。
何が言いたいかというと,私は教師時代にこの目的を達成するために,一つ一つの目標を大切に実践をしていたということです。
新年度になると手帳にこの文章は書くことを恒例にしていました。
そうでないと日々の煩雑さで向かう的を見失ってしまうからです。
まあ,達成できたかどうかは自己満足ですが・・・。
ではこの考え方で日本のサッカーを見ていきます。
日本サッカー協会(以下JFA)が定めるものがそれに当たるのかもしれません。
(目的・事業)
JFAは、日本サッカー界を統括し代表する団体として、サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の発達と社会の発展に貢献することを目的に活動しています。
この目的を達成するため、以下の事業を行います。
・ 日本を代表する各年代、各カテゴリーのサッカーチームを組織し、各種競技会 への参加及び代表チームが参加する競技会を開催する
・ サッカーの全日本選手権大会その他の競技会の開催
・ サッカー選手の育成、サッカー競技の普及及びサッカーの指導者並びに審判員の育成
・ 選手、チーム、指導者及び審判員等の登録
・ 知的所有権の管理及び商標提供
・ 社会貢献及び国際貢献の実施
・ その他この法人の目的を達成するために必要な事業
長期的な目的はよく分かります。
「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の発達と社会の発展に貢献すること」です。
それでは皆さん,これを自分のことに置き換えてみましょう。
サッカーを通して豊かなスポーツ文化を創造したという自覚はありますか?
サッカーを通して心身の発達と社会の発展に貢献したという自覚はありますか?
この視点はすごく大事なことだと思います。
主語を「私」にすることで,自分がこれからどのようにサッカーと生きて行けばいいのかが見えてきます。
逆に考えればこれまでの生き方を振り返ることも出来ます。
私は,試合に出場する。
私は,ボールを扱う技術が身に着く。
私は,プロサッカー選手になる。
私は,指導者になって選手を育てる。
私は,審判になって試合を裁く。
私は,試合を開催する。
私は,サッカーの試合を観戦する。
つまり「私」がすることの全ては,JFAが掲げる目的を達成のために実施されている事業(おそらく目標にあたる)なのです。
どうですか?
何にも考えずにサッカーに関わって来たと思いませんか。
私は間違いなくそうです。
でもこの機会にちょっとだけ深く考えてみると,サッカーがとても尊いものに思えてきませんか。
「私」や「あなた」がサッカーに関わると言うことは,「スポーツ文化を創造する」ことであり,「心身を健康」にし,「社会を発展」させるということなのですから。
ちょっと格好いいですよね。
私のブログを読んでいただいている皆さんは,プレイヤーであったり、コーチであったり,保護者であったり,サッカーファンであったりすると思います。
その全ての方がJFAの目的を達成するサッカーファミリーであり,短期的な事業の中で目的に向けて突き進む同志なのです。
今日もサッカーに関わる予定の方は,早速スポーツ文化を創造してください。
健康になって下さい。
明るい社会にしてください。
そうすることが目的なのです。
私はインフルエンザの関係で自宅待機なので,DAZNを観ながら息子達とうんちくを語り,サッカーを日常にすることに貢献します(^_-)-☆