ヨーロッパリーグベスト16のFCバルセロナ(以下バルサ)対マンチェスターユナイテッド(以下マンU)2nd Legを視聴しました。
我が家は当然バルサ推しです。
結果は合計4対3でマンUの勝利でした。
これでバルサは今シーズンのヨーロッパの戦いが終わってしまいました。
怪我人が多く,戦力的にも厳しい現在のバルサにとってラリーガに集中できるのはポジティブに捉えれば良いことかもしれません。
そもそも週に2試合をこなすだけでも大変なのに,高負荷の試合かつ長距離移動なので選手にとっては大きなストレスになります。
今はバルサにとって地に根を張る期間なのでしょう。
まずは国内リーグで週に1回の試合で高パフォーマンスを披露し,チケットを買ってくれた観客を歓喜させることに集中することが大事だと思います。
さてこの試合はバルサがPKで先制し,その後にマンUが追い付くと言う展開でした。
マンUの2得点はどちらも素晴らしく,自力が増してきていることを証明するものでした。
交代選手も躍動していますし,チームとしての一体感を感じます。
赤い悪魔の復活は近いのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=Ry1JNco26YQ
一方バルサは「カンテラーノが中心のチーム作り」を取り戻す必要があると思います。
もちろんポジションによっては要所にスーパーを補強する必要はありますが,バルサと言えば「育成」が売りのはずですので,戦いを国内リーグをメインに置くことは長い目で見ればヨーロッパでのバルサの復活に近づくように思います。
スーパーを獲得してその場を誤魔化したとしても,そのスーパーが長い期間チームを支えることは少ないからです。
この試合で先発したカンテラ出身は,バルデ,ブスケツ,セルジロベルトの3人でした。
グアルディオラ監督時代に2度目の3冠を獲得した時には,バルデス,プジョル,ピケ,ブスケツ,イニエスタ,チャビ,メッシ,ペドロの8人が先発でした。
この差がそのままヨーロッパの舞台での結果に現れているのかもしれません。
ではなぜバルサのカンテラーノがトップでプレー出来なくなってきたのでしょうか。
それはサッカーの高速化かつ高フィジカル化が進んできているからかもしれません。
海外サッカーが好きな方は感じられると思うのですが,ラリーガは他のリーグと比べると試合展開が遅く感じられます。
それは「相手を観て,数的優位を生かしながら,有効なスペースを見つけて,前進している」からです。
だからゴールまで時間がかかりますし,相手がいても動じない確かな技術が求められます。
しかし,世界では圧倒的な高フィジカルを生かして,スペースにボールを運び入れて,ダイナミックにゴールへと迫ってきます。
もはやバスケットボールのラン&ガンに近い試合展開です。
先日のCLベスト16,マンチェスターシティー(以下マンC)対ライプツィヒ戦でも圧倒的にボールを保持できるマンCが1対1のドローに終わってしまいました。
マンCはハーランドが加入したことで高フィジカルでの得点パターンが出来ました。
しかしマンCの基本的な試合展開は,相手を観て,数的優位を生かしながら,スペースへとボールを運んでいるので,ハーランドまでボールを届けるのに時間がかかっています。
この試合でもハーランドのシュートシーンはすごく少なかったです。
現代サッカーではチームの勝利のために,どんなサッカーを好むか,そのサッカーと心中する覚悟があるか,しかないのかもしれません。
美しいサッカーを目指したヨハン・クライフ氏が嘆くかもしれませんが,そういう時代なのです。
だからこそ私は「相手を観てサッカーをする」ことを大事にしたいと思います。
サッカーには相手がいて仲間がいます。
仲間も色々な生活背景で育ち,見た目も,個性も違います。
そんな仲間が各ポジションに分かれて,それぞれの個性を発揮しながら,勝利を目指すからサッカーは美しいのです。
それが仲間全員の生活背景が似ていて,見た目も個性も同じなら,それはもはやロボットのゲームと変わりません。
そんなサッカーが面白いはずはありません。
相手の特徴を掴み,仲間と共に相手を攻略していくことこそサッカーの醍醐味です。
そこに必要なものは「相手を観て最適を判断できる力」であり,フィジカルは勝負に勝つための最低限で良いのです。
スピードを上げるのも有効なスペースを消させないためであり,常に速い必要はないのです。
だからこそカンテラで共通の「考え方」を学んだバルサは強かったのです。
生活背景や見た目や個性は違うが考え方は同じ。
適材適所で輝くサッカーチーム。
それこそがバルサです。
奈良クラブはこのスペインサッカーを導入しているクラブです。
ジュニアからトップまでがエコノメソッドで共通の「考え方」を学んでいます。
当然,適材適所であるためには最低限のフィジカルは必要であり,全ての選手に可能性があるわけではありませんが,「考え方」は同じなので誰が試合に出ても共通のサッカーが実行できます。
どんなサッカーを好むのか。
どのサッカーと心中するのか。
奈良クラブはヨハン・クライフのサッカーを好み,美しいサッカーと心中する。
カッコいいじゃないか。
だから私はこのクラブを選んだのです。