CLベスト16 2nd Leg マンチャスターシティー対ライプツィヒ戦を視聴しました。
ハーランド選手が5得点をたたき出しました。
身体能力を駆使したダイナミックなプレーに目を奪われがちですが,彼はオフザボールのときに何度も動き直しをしていますし,仲間のシュートへの反応を怠りません。
一見,棚からぼた餅のようなゴールに見えますが,それこそ彼のオフザボールの質の高さを物語っていると思います。
チャンピオンズリーグの歴史で5ゴールを決めた2人の選手は違えど、その側にいた監督は一緒だった。 pic.twitter.com/fpP4coCpLU
— Jun Takada / 高田 純 (@ney10jun) March 14, 2023
このtweetを見つけて気づきました。
メッシ選手もオフザボールの達人です。
現在はオフザボールの際に歩いていることで物議をかもすこともありますが,グアルディオラ監督はそんなメッシ選手について,「常に首を振って,情報を集めている」と評価しています。
私もスペイン遠征に引率した際に,カンプノウでメッシ選手を観ましたが,驚くほど歩いていました。
周りは絶え間なく動いているのに彼だけは時間がゆるやかに流れているようでした。
だから彼をマークするためには自分もゆるやかにならないといけません。
これってかなり難しいことです。
また,サッカー経験やなら分かると思いますが,絶え間なく動いていると視野は狭くなり,集められる情報も限られてしまいます。
メッシ選手は歩いていますので,より遠くの情報を集められることが出来ています。
メッシ選手は,有効なスペースを見つけることが出来たら一気にボールへと関わりだすのですが,次は近くの情報を集め出します。
「ボールが自分から遠くにあるときは遠くの情報を集めて,ボールが近くにあるときは近くの情報を集める。」
サッカーでの認知の原則です。
メッシ選手は若いときにグアルディオラ監督の下で年間3冠を2回経験しました。
当時のメッシ選手は今と比べるとまだまだ荒々しく,ハードなディフェンスもいとわないあ選手でした。
グアルディオラ監督とともにサッカーを学んだ日々があるから,現在のメッシ選手になれたことは間違いありません。
ハーランド選手はそのグアルディオラ監督の下でこの結果です。
正直なところ,末恐ろしいとしか言えません。
身体的な能力が高い選手が,日々の努力と献身的なプレーをいとわなく,メッシ選手を育てた監督の下でサッカーを学んでいるのです。
サッカーにはお国柄やチームの哲学,様々な戦術があり,日々進化しているスポーツです。
しかし,絶対に必要なことはサッカーの原理原則を理解した個人戦術にたけた選手です。
そうでなければ時代に確実に取り残されてしまいます。
長男は相変わらず修行の日々です。
昨日のユースでの練習でもボールコントロールやパス,フィジカルコンタクトで自分の思い通りのプレーが出来なかったそうで落ち込んで帰ってきました。
私は参観していたので,長男の言っていることも分かります。
しかし私は違和感を持ちました。
長男はメッシ選手やハーランド選手のようにプレー出来ない自分に失望しているのだと思います。
でもそれははっきりと言って長男が悪いです。
なぜなら現在のメッシ選手もハーランド選手もまだ学び続けているからです。
「もっと上手くなりたい。」
そんな気持ちで日々の努力を怠りません。
では長男はそこまでのレベルでしょうか。
だから私は
「100万回失敗したら良い」
と伝えました。
イチロー選手がこんなコメントを残しています。
「こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分ではない。
誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。
それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね。」
きっとメッシ選手もハーランド選手も同じです。
だから長男にはイチロー選手の言葉も伝えました。
長男は
「確かにそうやよなあ。
なんか上手く出来ない自分にがっかりしてしまうんよなあ。
でもだから気持ちが落ちてしまって,もっとプレーが悪くなってしまう。」
と答えました。
長男は今日はトップのトレーニングです。
きっとたくさんのチャレンジをして失敗をしてくれるはずです。
若いと言うことはそれだけで武器です。
その武器を存分に生かして,荒々しくプレーしてほしいですね。