エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ガチンコ子育て話

ああなんて素敵な日だ

今日は人生で最も感慨深い日になりました。

それは長男と二男と三男がそれぞれの立場でナラディーアに集まり,それぞれの立場で素晴らしい姿を見せてくれたからです。

 

春休みになり,ナラディーアでは交流戦が行われています。

その参加チームの中に伊勢ヤマトFCというチームがあります。

このチームは長男と二男と三男がジュニア時代に所属したチームです。

二男と三男は,長男が山梨県で寮生活をすることになったのに伴い,途中でこのチームを退団しましたが,今でも当時のチームメイトは残っています。

三男が再び伊勢ヤマトFCでプレーすることになったことが縁をつなぎ,長男と二男がプレーする奈良クラブの交流戦への参加につながったのです。

ちなみに私はこの伊勢ヤマトFCの前身である伊勢ペルソナFCの創設メンバーであり,長男が6年生になるまでジュニアチームのコーチをしていました。

だからこそ今回の交流戦は非常に感慨深いものになりました。

 

ナラディーアに着くと,三男がチームのユニフォームを着てピッチ内でアップをしています。

長男と一緒に声をかけると,照れくさそうにしています。

つい数日前まではサッカーとは関係なさげにここで長男のプレーを眺めていたのですから不思議なものです。

現在のジュニアユースの監督は私の元チームメイトであり,東海リーグ昇格を果たした同志であり,ジュニアのコーチ仲間でもあります。

過去には色々と難しい時期もありましたが,こうして時間が経ってみると,不思議なものでこの日のために与えられた試練だったのかなとも思います。

それは長男も同じだったようで,心に出来ていたいくつかの古い瘡蓋がぽろっと取れる感覚だったみたいです。

こんなに優しい表情の長男を見るのは久しぶりです。

「ああ奈良に来て良かった。」

仕事を辞めて二人の息子と奈良に来なければこんな未来は無かったと思います。

 

三男は第1試合の後半に出場しました。

三男がサッカーをする姿を観るのは3か月ぶりです。

11人制でプレーするのは初めてです。

1-4-2-3-1のボランチの片方で元気にプレーしていました。

「ああナラディーアが出来て良かった。」

ナラディーアが出来ていなければ三男のこんな姿は観ることは出来なかったわけですから,改めてナラディーアに感謝です。

 

その後は長男が伊勢ヤマトFCのOBとして選手達に挨拶をしていました。

照れ屋なので大したことは言えていませんでしたが,元チームメイトや幼馴染,三男の前で話している長男はすごく穏やかな表情でした。

私も元コーチとして挨拶をさせてもらいました。

「進路を決めるときはまず自分がやりたいことを1番に決めてほしい。やるだけやってダメだったら仕方ない。でもダメになるまでやらないと一生後悔する。長男と二男と奈良に来て,今こうやって三男のチームと試合が出来るのは,やりたいことを信じて行動したからだと思う。」

このチームの新三年生には私がジュニアコーチ時代に教えた子が数名います。

きっと進路で悩みます。

今回奈良に来て,この街で頑張る長男や二男と再会して,県外は決して遠くないことを知ってもらえたら,それだけで可能性は広がります。

「ただし,今日の1試合目のサッカーを見ているとディフェンスがまだまだ弱かったと思う。ボールを扱うことは簡単には出来るようにはならないけど,ボールを奪うことは自分の気持ち次第ですぐに出来るようになる。目の前の相手のボールを何が何でも奪う。そんな気持ちで全員がディフェンスをすればどんな強豪チーム相手でも通用する。今回の交流戦でぜひ学んでほしい。」

私はそう伝えた後,当時恒例にしていた質問をしました。

「ヤマトのサッカーは?」

「・・・・全員攻撃全員守備。」

覚えていた選手が小さい声で返してくれました。

「そう。懐かしいやろ。いつも聞いていたよな。ヤマトは全員で攻撃して全員で守備をするチーム。すごく良い考え方だと思う。だからどうしたら全員で攻撃が出来て,全員で守備が出来るのかを考えて,サッカーをしてほしい。それがヤマトだから。」

まさかこんな話が出来る未来がやってくるとは。

「ああなんて嬉しい日だ。」

 

さあ奈良クラブと伊勢ヤマトFCの対戦です。

兄弟が同じピッチに立つことに期待します。

ちなみに二男と三男が同じピッチに立ったのは山梨のジュニアチームに所属したときに1試合のみです。

二男は左サイドバックとして先発出場でした。

でも残念ながら三男はベンチでした。

後半は二男がベンチに下がり,三男がサイドハーフとして出場しました。

このまま試合は終わってしまうのかと思っていると,後半の残り15分ほどで二男が再びピッチに戻りました。

ついに兄弟対決が奈良で実現しました。

観ている私は大興奮です。

「ああなんて素敵な日だ」

まさにそんな気分でした。

 

試合後,二男は伊勢ヤマトFCの記念撮影に混じっていました。

とても嬉しそうな顔をしています。

三男も嬉しそうです。

それを眺める長男も嬉しそうです。

当然,私は満面の笑みです。

世の中には色々な家族の形がありますが,この日ばかりは私の家族が最高だと思いました。

元気に成長してくれた息子達に感謝です。

こんな破天荒な私についてきてくれた息子達に感謝です。

 

さて明日は長男の出番です。

長男はトップチームのトレーニングに呼ばれました。

元のチームの仲間の前で,三男の前で,プロ選手に混じってプレーする姿を見せることが出来ます。

やりたいことを信じてやり続けたら世界は決して遠くないことを,長男のプレーから感じてもらえたらこんなに嬉しいことは無いですね。