今回の内容は気に入らない方もいると思うのでスルーしてもらって構いません。
先週末に県3部リーグがありました。
Bチームに招集された長男は昨年以来の3部リーグでした。
グラウンド状態はナラディーアと比べるとかなり厳しいものでしたが言い訳にはできません。
それは相手も同じだからです。
しかし相手がとってきた戦術は予想通りダイレクトプレーでした。
とにかく蹴る,蹴る,蹴る。
相手の状況やスペースの有無に関係なく蹴る。
90分間がダイレクトプレーのみで終わりました。
結果は奈良クラブの勝利でしたが,何とも後味の悪い試合となりました。
それもサッカーと言われればそうなのですが,やっぱり私は腑に落ちません。
以前にこのブログでも投稿しましたが,学校教育目標を達成することが学校の部活動の目的だからです。
それなのに「勝利」が目的になる部活動が全国的にも多すぎます。
学校教育目標に「勝利優先」を掲げている学校があるのでしょうか。
おそらくはありません。
相手には相手の事情があり,グランド状態を加味すれば,戦術的には仕方ないのかもしれません。
でも90分間ダイレクトプレーで戦い続ける体力とメンタルがあるのであれば,違う戦術で勇敢に試合をすることが出来たのではないかと思います。
それぐらい相手の子どもたちは一生懸命戦っていました。
だからこそもったいないです。
どうか先生,お願いします。
同業者として切実な思いです。
私が考える勇敢さとは負けを恐れないことが前提です。
その前提がある中で,相手を観て有効なスペースにボールを運びながら,チームで勝利を目指すのです。
確かに技術的な問題もあるでしょう。
グランドの事情もあるでしょう。
それらを含めて育成年代に必要なことは勝ち負けではなく,サッカーを学ぶことであり,サッカーを通して人生を学ぶことだと思います。
ダイレクトプレーで無理やり勝利したとして,このサッカーで彼らが学ぶことは,勝つためだったらなりふり構わないという生き方ではないでしょうか。
本当にそれで良いですか?
例え大量点を奪われて負けたとしても,相手を感動させるサッカーは絶対に出来ます。
「このチームはどんなに上手くいかなくてもボールゲームであるサッカーから逃げていない。だから自分達も全力でサッカーをしよう。」
私はこれこそが育成年代のサッカーの試合だと思います。
両チームがお互いをリスペクトしながら夢中でサッカーを楽しむ。
この試合を終えた長男ははっきりと言いました。
「全く面白くなかった。だって蹴って走ってぶつかっているだけやん。相手はサッカーから逃げてる。気持ちはわかるけど,あのサッカーで勝っても意味が無い。まあ,俺はそれでも負けやんけどな。」
育成年代の子どもに関わる私たちは,もう一度,育成の意味を本気で考えるべきです。