今回は子育てなのかサッカーなのかよくわからない内容です。
県リーグ4連敗中の二男。
いよいよ1部リーグから2部リーグへ降格の危機です。
育成年代のリーグ戦なので昇格も降格も人間的な成長のきっかけにするだけなのですが,プレーしている本人たちは間違いなく降格は嫌でしょう。
選手達にとっては望む結果を手にするための正念場になりました。
二男にはグラウンドまでの車中でいつも通りのお説教をしました。
おっとりとした性格なのでどうしてもゆるみがちな二男は,この試合のために心を込めているとは思えませんでした。
「そんな気持ちの選手がどうしても勝ちたい試合に出て良いのか?」
「また負けて良いのか?」
「今を大切にしない奴が望む未来を手に入れられるのか?」
「サッカーも勉強も中途半端やん。」
少々厳しい内容ですし,親から言われたら耳の痛い話です。
それでも二男は車から降りるときに,
「今日は勝ってくるわ。負けるのは嫌やしな。」
とギラついた目で言いました。
二男はそういう目をしているときは,これまでも案外やりきってきました。
今日は期待できるかなと思いました。
今日はナイターゲームです。
それも風があります。
熱中症の心配はほぼありません。
二男は右サイドバックでスタメンでした。
観ている私に気づいて手を振ってきました。
こういうところは可愛らしい。
試合が開始しました。
相手はハイプレス且つ縦方向への速い攻撃を戦術としていました。
奈良クラブにとって好都合だったのは相手が狭いスペースを細かいテクニックでこじ開けようとするスタイルだったことです。
相手がサイドチェンジをせずに狭いまま攻撃をしてくるので,お互いがそこに人数をかけて団子状態になっていましたが,スライドをせずにプレスをかけ続けることが出来たので,前半は無失点で耐え忍ぶことが出来ました。
二男も好きなカイル・ウォーカーばりのカバーリングを見せていました。
後半になりました。
前半の途中ぐらいから相手のプレスのかけ方を理解して,有効なスペースを見つけられるようになっていました。
雨の影響でボールがよく転がってパススピードが上がりました。
相手は必死にハイプレスをかけるのですが,ヨハンクライフが残した言葉通りボールは汗をかきません。
速いパスでプレスをかわし,狙い通りのライン間にパスを通せるようになりました。
相手はハイプレスをかけていたのでディフェンスラインが高くなっていましたから,その背後にもボールを入れられるようにもなりました。
ハイプレスをかけてもボールを奪えないストレスはサッカーをしたことがある人ならわかります。
それでも相手はミドルブロックやローブロックに切り替えないので勇敢と言えば勇敢ですが後半は観ていても体力的にも厳しくなっていました。
そして待望の先制点が生まれました。
泥臭いゴールでした。
二男もこの得点にはトランジションで貢献していました。
良いディフェンスは良いオフェンスへと繋がります。
良いメンタルは良いプレーへと繋がります。
得点を奪った選手の魂のゴールでした。
彼は練習のときからゴールを意識したプレーをしていたので,今日は得点を奪えそうな予感をしていました。
その通りになって本当に良かったです。
彼の成長のきっかけになって欲しいです。
その後は何とか同点に追いつこうとする相手の猛攻を耐え忍びました。
二男は興奮しすぎて遅延行為を行い,イエローカードをもらってしまいました。
これでまたしてもイエローカード累積の出場停止にリーチになってしまいました。
連敗を脱出したにもかかわらず,無失点に抑えたにも拘らず,フル出場したにもかかわらず,試合後にコーチに叱られる二男。
いちいち面白い二男です。
二男が戻ってきました。
車に乗り込むなり,
「楽しかった。イエローはやってしまったけど勝てて良かった。」
と興奮して言ってきました。
私は二男が「楽しかった」と嬉しそうに言ってきたことが何より嬉しかったです。
やっぱり楽しいは最強です。
本気は最高のエネルギーです。
この試合後からしばらくのオフになりますが,降格の危機を脱出したわけではありません。
常に勝つしかない試合が続きます。
ということは本気で楽しい試合が続くということです。
二男のオフの過ごし方も重要です。
二男のことなのでかなり心配です。
この試合の楽しさが忘れられずにまた味わいたいと思っていてくれると期待したいです。
と思ったら目の前でテレビを観ながら旨そうにポテトチップスを食べてやがる。
いつ買って来たんや…。
変わるところはそこなんだよなあ。
すぐに安心して気をゆるめやがる。
このばかやろうめ(>_<)