エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ちょっといい学校話

本気になる

本気は響く。

本気は届く。

本気は最強。

 

私は世の中の立派な教師と比べたら,全くもってヘタレ教師です。

出来たら楽をしたいし,早く家に帰りたいし,余計な仕事もしたくない。

そんなだめだめ教師です。

ですが四半世紀の教師生活を通して出会ったたくさんの子どもや保護者に私は育てられました。

教師は子どもあっての仕事です。

子どもを育てることが仕事です。

子どもが未来に希望を持つ「きっかけ」を与える仕事です。

ではどうしたら子どもが育ち,未来に希望を持てるのか。

私が導き出した答えが「本気」です。

子どもは大人が自分に対して本気で向き合っているのかを見分ける天才です。

私はそんな天才たちに振り回されて,たくさんの失敗を犯してきました。

ついつい自分の承認欲求が上がってしまうと,子どもたちを自分にとって都合の良い存在にしてしまうのです。

そんなとき天才たちは必ず私を困らせてきます。

私を試してきます。

私はそうやって現在の考え方を身に付けていきました。

 

今日もそんな「本気」を発揮しなければいけない場面がやってきました。

借り物のギター片手に全力で歌いました。

ピックが無かったので親指は擦り傷で血まみれになりました。

それでも歌い切りました。

下手くそなギターでした。

でも残念ながら子どもたちは期待していたより歌いませんでした。

なんなら寝たふりをしている子もいました。

それでも私は最後まで彼らの心に本気で届け続けました。

授業が終わり,寝たふりをしていた子どもたちが,指が血まみれになった私のまわりに集まってきました。

コードの押さえ方を教えてやりました。

真剣に聞いてきました。

興味深げに弦を弾いていました。

「私もギター買ってもらいたい。」

そんなことを言う子もいました。

ほうら,やっぱり「本気」は響くんです。

届くんです。

最強なんです。

私はここにいる照れ屋でもじもじ君たちが自分の中にある小さな壁を乗り越える日も近いなと思いました。