全国高校サッカー選手権が開催されています。
能登地震で被災した人々のことを想うと「スポーツをしていていいのか」と葛藤しますが,今を主体的に生きることが1人ひとりに出来る事と考えれば,スポーツが持つ力は大きいと思います。
どの高校の部活動が優勝したとしても,人生の中でたったの3年しかない高校年代を有意義に過ごしてくれたらそれでいいと思います。
ただし,実況を聞いていると「これで本格的にサッカーを辞める」と言う選手がいることには多少の違和感が生まれます。
「本格的な」の基準は人によって違いますが,育成年代のサッカーは「保護者や周りの大人にサッカーをさせてもらっている状態」ですので,私からしたら「本格的な」サッカーは,育成年代を終えてからのサッカーだと思っています。
例えば,テレビに映る高校生のどれくらいが,サッカーをするのにグランド代を払わなければいけないことを知っているでしょうか。
選手登録費や大会参加費を払っていることを知っているでしょうか。
宿泊や移動にかかる遠征費がどの程度なのか知っているでしょうか。
スパイクやユニフォーム,ウェアなどの道具代はいくらなのか知っているでしょうか。
私の考えでは,これらを「自分で働いたお金」から出してこそ「本格的な自分のサッカー」なのです。
私は社会人チームの代表を長くしていたので実感としてそのことが分かります。
チームメイトから部費を集めたり,JFAに登録したり,遠征費を割り勘したり,それはそれは色々と工夫しましたから。
私の考えでは,育成年代における育成とは,決して試合や大会に勝つ選手を育成することではありません。
人として「自立を促す」ことが育成であり,「サッカーを通して人生を豊かにしたいという考え方を育てる」ことが生涯スポーツとしての育成です。
だから,選手達には大会優勝のために全力を尽くすことは人生の中の一つの過程と考えてほしいですし,怪我で出場できないとかベンチやスタンドで応援しかできないとか選手として心が折れそうになる気持ちすら,自立への学びととらえてほしいです。
長男は2024年シーズンをナラディーアで静かに始動しました。
私と二人で走ったり,ボールフィーリングを確かめたりしました。
やっぱりサッカーは最高です。
長男は久しぶりのグランドでずっと笑顔でした。
長男はついに育成年代最終年です。
自立に向けて「サッカーをさせてもらう」最後の1年です。
サッカーを仕事にするのか,そうでないのかはまだ分かりません。
それでも生涯スポーツとしてサッカーを楽しむ気持ちだけは失って欲しくないと思います。
二男と三男はどうでしょう。
特に二男は地元の高校受験を控えていますし,合格したとしても部活動でサッカーを続けるかどうかは彼に委ねています。
親のエゴですが,出来ればサッカーを続けてほしいし,兄弟と私でいつまでもボール回しが楽しめるオフが良いなと思います。
二男には求めすぎずに,奈良から期待だけしておきます。