エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
気ままな試合観戦話

気ままにVS静岡学園高校

ECLOGA2024が奈良クラブ専用グランドのナラディーアで開催されました。

参加チームは先日まで行われていたインターハイ優勝校の昌平高校,準優勝の神村学園高校,出場の静岡学園高校,興国高校,クラブユース全国大会出場の京都サンガユース,そして奈良クラブユースです。

参加チーム全てが夏の全国大会に出場という素晴らしいマッチメイキングになりました。

何より奈良県でこのような大会が開催されたことが素晴らしく,奈良の子どもたちはユース年代の日本のトップチームの試合が身近で観れることになりました。

子ども達にとっては,目指したいものを目の前で観れることがどんなに価値のあることかを想像してください。

例えばFCバルセロナの試合を週末にスタジアムで観ることが出来るサッカー少年にとって自分の将来像は明確です。

大げさかもしれませんが奈良の子どもたちは1年に1度それをナラディーアで確認できるわけです。

私は心から素晴らしいことだと思います。

さてそんな大会に参加出来た奈良クラブユースは県1部リーグ所属です。

昌平,神村,静学はプレミアリーグ所属。

興国,京都サンガはプリンスリーグ1部所属。

強度の慣れをしたい奈良クラブユースにとってはとても有難い大会です。

この大会を今年度最大の目標であるプリンスリーグ昇格への経験にしたいところです。

 

奈良クラブユースは静学と昌平のグループでリーグ戦を行うことになりました。

初戦は静学です。

昨年度はユースワーチャレで静学に3対1で勝利することが出来ましたが,今年度は奈良クラブの戦術は知られているので,昨年度のようにはいかないことが予想されました。

静学はインターハイで興国に勝っています。

静学の初戦は昌平でした。

テクニック自慢のチーム同士の対決で,お互いがオープンな展開でやり合っていました。

結果は1対1で引き分け。

まさに高体連らしい試合でした。

そんな静学相手に奈良クラブユースは3バックでのビルドアップで挑みました。

序盤,静学は2人のFWでプレスをかけてきてので,戦術的に数的優位を確保している奈良クラブユースの狙い通りの展開になっていました。

しかし奈良クラブユースが抱える問題はすぐに表面化しました。

静学が奈良クラブユースのボールホルダーにプレスをかけると,かけられた選手は落ち着きを無くして慌てたプレーを繰り返してしまったのです。

「プレスをかけたらボールを奪える」と分かった静学は,3バックの中央の選手からパスが出た瞬間にボールホルダーに対して一斉にプレスをかけるようになりました。

これがクラブユースで明確になった課題です。

それが個の質です。

同じようにプレスをかけても慌てずにボールを守れる静学。

その逆の奈良クラブユース。

どんなに戦術が優れていても,ボールホルダーがボールを守れなければ,すぐに回収されてしまいます。

特に静学は日本トップレベルのテクニック集団です。

ボールを守れない選手は試合には出れません。

奈良クラブユースはことごとくボールを回収されていきました。

長男もボール保持に苦戦していました。

ほぼ守備の時間になってしまいました。

静学の特徴ですが,狭い局面で2対1の状況を作り出し,駆け引きをしながら攻めてきます。

長男も

「1対1やったらボールを何とか獲れるけど,あいつらはパスを見せてくるからキツイ。なんも出来やんだ。めちゃくちゃ悔しい。」

と試合後に疲れきった表情で話していました。

奈良クラブユースはほぼ攻めることが出来ずに0対2で完敗しました。

ただしクラブユースのことを思うと,プレミアリーグ所属のチームに対して2失点で抑えられたことは成長とも言えます。

この試合の失点は全てセットプレーでしたし,私はこの敗戦を前向きに捉えるべきだと思いました。

ただし長男のプレーはイマイチでした。

実はこの日は18歳の誕生日でした。

長男は「悔しさ」というお金では買えない最高のプレゼントをもらいました。

私は長男に

「これが自信を持てってことやと思うよ。静学は試合中に奈良の10番を見ろって言ってたやろ。今日のプレーでも充分嫌がられていたってことさ。もっとチームの勝利のためにエゴを出すべきやと思うな。長男がボールを触って相手を引き付けないと明日の昌平戦も絶対に勝てやんで。負けたくないやろ。」

とはっぱをかけました。

長男は

「18歳になったし,明日は絶対にやったるわ。」

と意気込んでいました。

 

ところで静学にはジュニア時代の仲間がスタメンでプレーしていました。

長男は彼と試合を通してマッチアップしていました。

試合後,彼は私に挨拶に来てくれました。

長男は彼に「上手すぎるわ。」と言い,彼は長男に「プロになれたんでしょ。良いなあ。」と言いました。

プレミアリーグ所属のチームでスタメンで出場する彼が長男を羨ましがっています。

私と長男は彼の言葉から「プロとしてプレーできる選手はほんの一握り」だと改めて実感しました。

だからこそ,明日はプロとして恥ずかしくないプレーをしてやろうと闘志が湧いてきました。

さあ,昌平高校はアメージングアカデミー出身の仲間がいます。

ほぼ2年半ぶりの再会。

彼は1年時からプリンス,プレミアでプレーし,インターハイや選手権で全国の舞台を経験しています。

春には高校選抜のキャプテンを務め,ついにはSBS杯のU18日本代表にも選出されました。

どんな試合になるのか楽しみです。