エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
(仮の題名)「サッカーが大好きな国でプレーするまでの話」

通信制の高校の是非

通信制の高校の是非

長男の学力は厳しいものでした。特に数学がひどかったので,私は奈良に来る時に長男の勉強を小学5年生の算数からやり直そうと決めていました。私は計算練習のドリルを小学5年生から6年生,中1,中2,中3の順に購入しました。午前中は長男と学習の時間を決めていました。通信制の高校の学習の時間にプラスして約30分程度の復習を始めました。すると予想通りです。基礎的な小学校算数で躓いていることが分かりました。ノートの使い方や式の立て方,途中の計算式の書き方から徹底的に直しました。

2,3か月もすれば小学校5年生と6年生の問題はスラスラと解けるようになりました。そうなれば中学校も難しくありません。複雑な文章問題は省き,計算練習に時間を当てていくと,中学校レベルの計算は半年で解けるようになりました。

これはサッカーにも当てはまります。個人戦術ができていない選手にポジション戦術やチーム戦術を学ばせても効果は低くなります。もしくはサッカーの理解度が低い選手に技術だけを教えても切り離されたものになります。きっと長男は小学校の先生の授業を適当に聞いて,適当に解いていたのでしょう。そのまま誤魔化して進級したものだから,徐々に教科書の問題が難しく感じ始めて,授業が面白くなく,勉強が嫌いになると言う悪循環に突入していったのです。

とは言え,通信制の高校の授業は進みます。長男が入学した高校は年に数回のスクーリング以外は,配信された動画を観てアンケートに答えるだけで授業が進みます。完全に受け身の授業です。長男が嫌がっていた受け身の人生です。そばで見ていて心配しかありませんでした。

しかし長男は少しだけ成長していました。自分から選んだ受け身なので,どのように受け身になるかは自分で決められます。長男は自分だけの時間割を立てました。学校に行けば時間割は学校の都合ですが,通信制の高校だと時間割を自分のライフスタイルに合わせられます。長男の時間割は以下の通りです。

6時30分に起きる。

午前中に通信制の高校の勉強と小中学校の復習を行う。

昼食前に軽く運動をする。

午後は食後に昼寝をする。

起きたら少しだけ通信制の勉強を再開する。

補食を食べてから練習に向かう。

練習後に補食を食べる。

22時半には就寝する。

間近で長男の様子を観ていて感じたのですが,これからの時代は目的やライフスタイルに合わせた学校が必要になると思いました。子ども達が学校を選ぶのです。全日制がいい子は全日制を。そうでない子は通信制を。それ以外もあります。これまでの私は全日制を当たり前と思い過ぎていました。それによって子どものやる気をそいできたのかもしれません。例えば,集団生活が苦手な不登校の子どもがいたとします。通信制なら集団生活をしなくていいので安心して学習できます。なんならそのまま仕事もオンラインの仕事を選んでもいいです。その子が幸せで,問題なく社会が回るのならそれで良いと思います。変わらなくてはいけないのは昔ながらの価値観に固執して,それを正しいと子ども達に押し付けてしまう私のような大人なのです。

ちなみに長男が動画を流しながらテレビを観ていたり,スマホでゲームをしていたりした時は遠慮なく叱りました。何のために勉強しているのか。この高校に通う費用は誰が払っているのか。当然ですが変わらなくていい価値観もありますので,親として我が子に伝えたい大切なことは遠慮しませんでした。

 

次回は「公園で自主練の日々」です。