公園で自主練の日々
長男は自分の時間割で昼食前に自主練をすることを決めました。
ちょうど自宅の近くにはボーが蹴れる公園がありました。私は3年ぶりに長男とボールを蹴ることになりました。それも平日の午前中です。今までの私の生活では考えられません。
これまで長男と一緒に取り組んできたボールフィーリングだけでなく,私なりに気になっていたプレイ中の長男の身体の使い方を改善していきました。歩き方や走り方,脱力の仕方や姿勢等々,時間はあるのでじっくりと向き合いました。
この自主練の日々での一番の効果は,長男ととことんサッカーの話ができたことです。中2病だった長男もそろそろ落ち着きだし,再びサッカーが大好きな少年に戻っていました。
我が家のお手本はFCバルセロナに所属していたイニエスタ選手とメッシ選手です。長男が小学校を卒業してから3年の時を経て,再び彼らのプレイから学び,参考にする時間が帰ってきました。それも当時は単純に憧れて真似をしていただけでしたが,今回は「なぜ?」「どうして?」とプレイに疑問を持ちながら,自分達なりに解釈をして,検証をするように練習ができました。「彼らのプレイには必ず理由がある」と言う視点で他の選手とも比べながら確かめていきました。
この自主練はナラディーアができるまで続きました。時にはオフ日にアメージング・アカデミーから奈良クラブに加入した仲間達をこの公園に呼び,学校帰りの二男も一緒になって,ミニゲーム大会に発展することもありました。サッカー小僧達の公園サッカーこそ,まさにサッカーの原点であり,主体的なサッカーです。日が暮れてボールが見えなくなるまでゲームをした後,汗だくになった服のままケラケラとおしゃべりしながら岐路に着く小僧達の姿は,美しく,私はただただ子ども達の未来が幸せであることを願いました。
おまけですが,長男がロベカルの真似をするとか言って,シュートを撃ちました。ボールは公園のコンクリートの壁に当たり,道路を挟んだ向こう側の壁の上にあるフェンスを越えて草むらに入ってしまいました。
下から見上げても高さが3mから4mはあります。とても登れません。ぐるっと回って壁が低くなっているところからよじ登り,私の背丈を超える程うっそうと茂る草むらに入りました。
そこから草むらをかき分けて約200mの道なき道を突き進みました。よく晴れた6月の午前中です。暑いし,イバラは痛いし,汗は止まらないし…。何度も心が折れかけました。
でもボールがもったいないのと帰るのも同じぐらいしんどいのとで進むしかありませんでした。「こんな死に方は嫌だなあ。」と思いながら,気持ちを奮い立たせ,何とかボールを救出しました。
当然,帰るのも同じぐらい大変です。公園に戻ったときは全進がすり傷と身体にくっつく草だらけでした。私にとっては公園の思い出ベスト1です。
次回は「県3部リーグ所属チームの実情」です。