ラ・リーガが開幕し,FCバルセロナの第3節がラージョ・バジェカーノ(以下ラージョ)のホームグラウンドで行われました。
https://www.rayovallecano.es/
↑ラージョの公式HPです。
バルサはラージョのホームグランドではあまり良い結果が出せていません。
それはラージョの実力もさることながらスタジアムのサイズも影響しています。
バルサは,ボールを大切にして主導権を握る攻撃的なスタイルです。
そのためにピッチを広く使うことを重要視しています。
バルサのホームスタジアムのカンプ・ノウ(現在は新設中)は105m×68mです。



FIFAが規定する公式戦用のピッチサイズは, 国際試合では100~110m×64~75m,特にワールドカップやオリンピックなどの主要大会では105m×68mを推奨しています。
FIFAは公式戦においてはワールドカップで採用される105m×68mを標準としています。
つまりバルサのホームはFIFAの公式戦の標準と同じサイズです。
でもラージョのホームのバリェカススタジアムは100m×65mです。
![レアルより、バルサより。スペインに行ったらラージョを見よう - Sportie [スポーティ]](https://sportie.com/wp-content/uploads/2015/03/9dd4dce471ea5cf5acf7f9a2f344e7c6.jpg)

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観客席は近いですし,ピッチに余白はほぼありません。
片方のゴール裏は壁で観客席は有りません。
かなりの圧迫感です。
縦5m,横3mの差はプレイ経験がある方ならわかると思いますがかなりの小ささなのです。
バルサからしたら小さいことで相手のプレスを受けやすくなり,ラージョからしたら小さいことで相手にプレスをかけやすいということです。
それもラージョはマドリード州の下町魂を背負った激しく戦うクラブです。
ボールを大切にして主導権を握ろうとするバルサは好都合の相手ですね。
試合結果は1対1の引き分けです。
どちらも自分たちの哲学を曲げずに,意地と意地のぶつかり合いを,90分間表現してみせました。

試合結果だけを観たらバルサが良くなかったように思いますが,ピッチサイズやクラブの哲学に目を向けたらそんな簡単な話ではありません。
環境の優位性や社会的な優位性も試合結果には影響します。
ぜひ試合を観戦する際は,単純な質の優位だけを観ないで,様々な要因にも目を向けて欲しいと思います。
ちなみにこの試合はピッチコンディションが悪く,VARが使えないという駆け引きもあったようです。
バルサはボールを持ち,VARの利点を生かしたハイラインの戦術を展開しています。
ピッチコンディションの悪さとVARの不具合はバルサにとって不利でしかありません。
まさにホームとアウェイの戦いですね。
善し悪しは横に置いておいて,街にサッカーが根付いている証拠ですね。
優位性のせめぎ合いは試合前から始まっているのでした。