エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ガチンコ子育て話

幸せの形

このブログを読んでいただいている皆様には心から感謝しています。

私は元教師で,3人の息子を持つ親で,現在はアルバイトのサッカースクールコーチです。

この生き方が良いか悪いかなんてわかりませんが,間違いなく言えるのは,特別でも何でもない普通の人間です。

でもそんな私がダラダラと綴るこの文章を読んでくれる方がいる。

それだけで私が生きている価値があると思います。

SNSを始めて良かったです。

 

昨日は長男と久しぶりにボールを蹴りました。

長男がジュニアユースになってからは,一緒にボールを蹴ることが少なくなりました。

実家を離れたということもあるのですが,もう私は長男にとって相手ではなくなったのだと思います。

長男がユースになり,奈良に来た1年目は,私が専業主夫だったので,近くの公園でボールを蹴っていました。

昔のように私がメニューを考えて練習をしていました。

私は現役を引退していたので長男のトレーニングパートナーという感じでした。

それも1年限りで,ナラディーアが出来てからの2年間は一緒にボールを蹴ることは無くなりました。

長男は目標にしていたトップチームに昇格をしました。

プロサッカー選手として社会人生活を始めてからは,それこそ全くボールを蹴っていませんでした。

 

しかし,長男は怪我をしました。

長男なりに精一杯,取り組んだ結果でした。

大好きなサッカーを怪我によって奪われ,プレイできない日々は4か月にもなりました。

どんどん長男のメンタルが壊れていきました。

それでも社会人としてプロとして必死に自分を奮い立たせてグラウンドへと向かう長男。

私は長男の話し相手になり,応援し続けることしかできませんでした。

 

長男はずっと欲しがっていたフットバレーボールのボールを手に入れました。

よっぽど嬉しかったのででしょう。

オフ日に私に声をかけてきました。

「どこかでこのボールを蹴りたい」

本当は裸足になって砂浜で蹴りたかったそうですが,奈良県にそんな場所があるわけもなく,近くの公園に行きました。

この日は秋とは思えない蒸し暑さでした。

でも明らかに長男は嬉しそうです。

早速,向かい合ってノーバンドでパス交換を始めました。

このボールはフットバレーボール用なので弾力が違います。

一見,ビーチボールのようですが,サッカーボールとフットサルボールを足して2で割ったような感触です。

ブラジルの人々がビーチでボールを蹴っている様子をSNSで観た長男は,彼らがあまりに楽しそうにしているのでそれに憧れたのでした。

 

 

やってみるとそんなに難しくはなく,こんな私でもパスぐらいは余裕でした。

もしここに砂浜とネットがあれば,もっと盛り上がったことでしょう。

軽く肉離れ気味の私はここで終了。

長男は一人でリフティングを楽しんでいました。

全身汗だくになりながら青空の下でボールを蹴り続ける長男を眺めていて私は思いました。

 

「サッカーは自由だなあ」

 

いつしかそんな当たり前のことを忘れていました。

育成年代は常に進路がつきまといます。

誰かに評価をされないと目標が達成できなくなります。

否応が無く進路のためにサッカーするようになっていくのでした。

長男も同じです。

昔は誰かにやらされるのではなく,ただただ好きだからプレイしていたのに。

 

サッカーが仕事になった長男にとって,もはやこどもの頃のような自由は無いのかもしれません。

でもサッカーをプレイ中は違います。

ルールの中で長男は自由です。

パスを出すこと,ドリブルすること,シュートすること,すべてはプレイヤーの判断に委ねられているのですから。

今回の経験で自由にプレイすることの意味を長男が取り戻せたのなら嬉しいですね。

 

さあ逆襲の始まりです。

私たちは,何者にも支配されず,これまでの学びを最大限に生かして,ルールの中で自由にプレイしてみせます。

それこそ私たちが求める幸せの形だと信じて。