3位と4位の決戦になったJFL奈良クラブ対ラインメール青森戦。
勝ち点差が2のため,奈良が勝てば勝ち点5差になり,青森が勝てば勝ち点1差で青森が3位に上がります。
どちらもJ3昇格を目指して終盤戦を迎えていますので,この直接対決は奈良県民と青森県民,もしくは両チームのサポーターにとっては最高のエンターテインメントです。
さすがに青森までは応援に行けませんでしたのでJFLのチャンネルで視聴応援しました。
まず目に飛び込んできたのは美しいスタジアムです。
このカクヒログループアスレチックスタジアムはJリーグの基準を満たしているスタジアムで,座席数2万席超える大型映像装置や照明施設も備えているそうです。
ブルーのトラックは川崎フロンターレの等々力スタジアムに似ています。
青森のスタジアムが満員の観客で埋まる未来を夢見て頑張ってほしいなと思います。
画面にはバックスタンドの椅子に装飾された「GO⇒J3」の文字がずっと映っていました。
青森のJへの本気さと客席を埋めることの難しさ,その両方を感じました。
2万人がスタジアムに足を運びたいと思うチーム作り。
それは奈良クラブも同じです。
ただしロートフィールドも橿原陸上競技場もバックスタンドやゴール裏は芝生席ですので,青森に比べるとやや見劣りしてしまうのは仕方がありません。
いつか奈良にも青森に負けないスタジアムが出来る事を期待してしまいますね。
さて試合は,3バックかつ前からアグレッシブにプレスをかけてくる青森に対して,いつもの選手配置で粘り強く迎え撃つ奈良の構図で始まりました。
私が感じたのは奈良の成熟度です。
相手の攻勢を迎え撃つことが出来る「余裕」が奈良にはありました。
これまでの試合で経験してきた自信が選手たちに心の余裕を生み出しているように見えました。
当然ギリギリでの戦いには変わりはないのですが,奈良が少しだけ大人対応をしている感じです。
そうこうしている間に,奈良のアグレッシブなサポートとその距離感,ウイングバックの背後のスペースをつく攻撃で盛り返し出しました。
近頃の奈良クラブは,自信だけでなく勇気に満ちていて,随所に自ら仕掛けていく姿勢で相手を上回ります。
無得点のまま前半を終えるのですが,徐々に奈良クラブの流れになってきていることは明白でした。
さて後半です。
映像の乱れで分かりづらかったのですが,前半から青森のGKの積極的に前に出るプレースタイルを逆手にとれていたのですが,ついにそれが先制点につながります。
浅川選手が相手のバックパスをねらいパスカットをしました。
GKと1対1になった時には,青森のGKはペナルティエリアまで出てきていました。
浅川選手はそれをわかっていて冷静にループシュートしました。
美しい弧を描いたボールはゴールへと吸い込まれていきました。
まさに狙いすました得点でした。
私が子どもたちに指導していたときに常に「ゴールを観よう」と言っていました。
なぜならサッカーはゴール数で勝敗を競うスポーツだからです。
ゴールから逆算する。
まさに浅川選手のプレーはそれでした。
ここからは映像がむごくなり,時間のワープを繰り返しました。
気がついたら青森が同点に追いついていました。
さすがはホームの青森です。
観ている私たちの興奮は高まります。
そして時間がワープして奈良クラブのゴール。
CKから浅川選手でした。
「入ったんやよな?」
そんな感じの気分でした。
でも守り切れば勝利です。
祈るような気持ちでした。
ここからはもはや映像で確認することは難しくずっとツイッターの速報待ちでした。
ようやく奈良が勝ったというツイートが入り,アパートながら長男と歓喜の声を上げました。
これでFC大阪に勝ち点で並び,得失点差で大阪を抜いて2位に浮上しました。
これまでの粘り強い守備がいよいよ順位に影響を与え出しました。
サッカーは守備から。
奈良クラブの攻撃的なプレッシングの守備とゴール前での体を張った粘り強い守備。
奈良クラブの特長であり魅力です。
選手たちが積極的にボールへのプレッシングを行ってスペースを狭くして奪い切る。
攻撃的な守備とはゴールを奪うための守備。
いよいよチームが仕上がってきました。
それにしても奈良クラブの選手たちの表情が変わってきました。
ストレスを楽しめたプロの表情👍️
さあ次の試合へ。
奈良の歴史を変えるJの舞台へ。 https://t.co/KoK3zbGugv— Wataru Kawai@エコノメソッドで世界へ (@wataruk_ekkono) October 9, 2022
このように「ストレス」がかかる試合で臆することなくプレーできる選手たちの「メンタル」はまさに「プロ」そのものです。
ストレスを力に変えることが出来るのがプロ。
長男は「最近のトップの選手は雰囲気が良い。」と言います。
いよいよ奈良に新しい歴史が誕生する流れが出来上がりました。
プロ意識が高い選手とチーム関係者が示し続ける結果。
新拠点の完成。
我がチームを愛するサポーターの存在。
興味関心を抱く地域の住民や企業,行政。
SNSで広がる関心の輪。
機は熟しましたね(^^)v