FCバルセロナVSビジャレアル
今朝はラ・リーガのFCバルセロナVSビジャレアルを録画観戦しました。
直近のクラシコで完敗したFCバルセロナにとっては非常に大事な試合です。
結果や内容によっては監督のチャビの解任もあり得ます。
それぐらいFCバルセロナは勝利が必須であり,内容も伴わなければいけません。
プロとして非常に華やかで非常に厳しい環境ですね。
このチームでプレーする選手たちのメンタルの強さには恐れ入ります。
瀬戸際のチャビ監督の狙い
さてこの試合のスターティングメンバーを見た時にチャビ監督の狙いがおおよそ分かりました。
これまでは両ウイングにドリブルが得意で1対1に強いデンベレ選手とハフィーニャ選手をスタメンに使っていましたが,この日はアンスー・ファティ選手とフェラン・トーレス選手がウイングでした。
さらに1ボランチにはブスケツ選手ではなくフランキー・デ・ヨング選手,左サイドバックにはジョルディ・アルバ選手でした。
アンスー選手とフェラン選手はいわゆるウイングタイプではなくシャドーストライカータイプです。つまり1トップのレバンドフスキ―選手との距離を近づけて中央を崩しにかかったのです。
そこに若いペドリ選手とガビ選手,ダイナミックな動きが特長のフランキー・デ・ヨング選手も関わってスペースを狭くして,テクニックやショートパスを生かしながら攻撃します。
一見スペースが少ないのでディフェンスが有利のように感じますが,もともとバルセロナの育成ではロンドを中心にしたポゼッションのトレーニングを丁寧に積んできていますし,ネガティブトランジションの速さは1-4-3-3で戦うバルセロナの生命線ですので,育成を生かした戦術とも言えます。
上手くウイングの幅を生かせたときには強引な1対1を仕掛けずに,シンプルにゴール前にセンタリングをしてボールの循環をよどませていませんでしたし,左サイドはアンスー選手が中に入ることでジョルディ選手のオーバーラップのスペースを空けていました。
見事にはまった選手を生かす戦術
その結果,FCバルセロナは昨年度CLベスト4のビジャレアル相手に驚異のポゼッション率70%越えてみせました。
さらには2点目のゴールで左サイドを全力で駆け上がったジョルディ選手を使うふりをしたレバンドフスキ選手が巧みなロングシュートで決めて見せました。
ゴール後にレバンドフスキ選手がジョルディ選手と抱擁しているシーンに「してやったり。」という気持ちが現れていました。
中盤の3人の走行距離も前半で6kmに近づくほどアグレッシブにディフェンスしていましたし,ロンドをするかのようにボールを動かせていました。
FCバルセロナにとってグランドを広く使うことは重要です。
でも現代サッカーで守備戦術と選手のフィジカル能力の向上によって,どんなに幅を使って攻撃しても,中央に人を集めて固められると攻撃できるスペースが無くなり,逆に地獄のカウンターの餌食になってしまうようになりました。
そこでジェラード選手のような破壊的なロングシュートもありですが,その狭くなったスペースを敢えてこじ開けていくという戦術をチャビ監督はとったのではないでしょうか。
この戦術の実行には選手の特長が重要です。
テクニックがあり狭いスペースを恐れずにボール保持ができネガティブトランジションがとんでもなく速い選手。
そのような選手を育成してきているFCバルセロナだからこそ出来た戦術だと言えます。
チャビ監督の現役時代に似たスタイル
そもそもこの戦術はチャビ監督が現役時代に得意にしていたスタイルです。
イニエスタ選手とブスケツ選手,メッシ選手,そこにチャビ選手が加わり,4人でダイヤモンドを作り,より狭いスペースの中でボールを保持して見せました。
そこに食いついた相手はボールを奪えないどころか,広大なスペースをFCバルセロナに与えてしまうという結果になるのでした。
しかし現在のFCバルセロナにはメッシ選手ほどの絶対的な選手はいません。
だからこそウイングの位置にボールが入った時はシンプルにセンタリングをして,自分達にスペースが無い代わりに相手にもスペースを与えないようにしていたのだと思います。
この試合は3対0でFCバルセロナが勝利しました。
ヨハンの美しく勝つサッカー
FCバルセロナはこの後にCLでバイエルン戦を控えています。
この試合がFCバルセロナにとって今年のCLの大一番です。
ここで負けるようならELすら怪しくなります。
そんな中でこの結果は朗報です。
ぜひ選手たちには自信を持ってバイエルン戦を迎えてほしいですし,FCバルセロナのサッカー哲学そのものであるヨハン・クライフの教え通りのサッカーを展開してほしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=A-oUsIT1a-E
今日はいつも以上にうんちくしまくりましたね(^^)v