エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

パシージョ

今年のJFLも残すところあと2節になりました。

奈良クラブはFC神楽しまねとの対戦です。

この試合が最後のホーム戦になります。

あいにくの雨でしたが,2000人を超える観客が試合に訪れました。

リーグ戦が始まった頃とは比べ物にならないぐらいチームへの注目度が変わりました。

だからこそ,様々な角度からの見方や意見が増えるようになりました。

この試合でFC神楽しまねはアウェイチームにも関わらず入場の際にパシージョ(ガード・オブ・オナー)を作って,J3入会を決めた奈良クラブを祝福しました。

サッカーは相手が合って成立するスポーツであることを証明する素晴らしい行為だと思います。

とはいえ勝負は勝負です。

お互いが一歩も引かないせめぎ合いが続く中,後半のアディショナルタイムに劇的なゴールが決まり,奈良クラブが優勝に王手をかける勝利を手にしました。

試合が終了し歓喜に沸く奈良クラブ。

経営上の問題で非常に厳しいチーム状態のFC神楽しまね。

勝負の正解の厳しさ,天と地,明日は我が身。

そんなシーンでした。

奈良クラブがラインダンスや記念撮影でサポーターと喜びを分かち合っている間,FC神楽しまねは奈良クラブのサポーターに挨拶に行こうとしていました。

でも歓喜がおさまらない様子だったので,メインスタンドに挨拶をしてロッカールームへと戻りました。

スタンドからはFC神楽しまねの選手達へ大きな拍手を送りました。

試合後のこの出来事に対して,奈良クラブの行為はリスペクトに欠ける行為だとして,ツイッター上に多数のつぶやきが投稿されました。

実は私もそう思っていました。

だからこのつぶやきはもっともだと思います。

相手が合ってのサッカーなら奈良クラブは試合後,真っ先にFC神楽しまねのサポーターに挨拶に行くべきでした。

それでも私は奈良クラブがリスペクトに欠けるチームだとは思いません。

人は興奮しているときに冷静な判断をすることは難しいですし,それほどストレスを感じてこのシーズンを過ごしてきたことも分かっているからです。

きっとFC神楽しまねの選手たちも分かっていたと思います。

完璧な人間なんていませんし,完璧なチームもありません。

成功も失敗もします。

この人間臭さもある意味では魅力です。

これからも注目度が上がれば上がるほど期待度も上がります。

終ってしまったこの出来事からチームは猛省し,相手へのリスペクトについて研修を深め,もっと愛のあるチームになるように成長していきましょう。

気づいていたのに何も行動しなかった自分が本当に情けないです。

あの時あの瞬間にチーム関係者に声をかけるべきでした。

私も成長します。

私と同じように行動できなかった皆さんも良かったら一緒に成長しましょう。

選手だけのパシージョではなく,サッカーに関わる全ての人のパシージョになることを願って。

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