成功体験と「ボールの置き所」の質
二男は高校生とTMでした。
5バックの左WBとして2本半出場しました。
右側は攻撃時にCBとWBが変則的な位置に立っていましたが,二男は攻撃時は幅をとり守備時はスペースを埋めるというオーソドックスなプレーでした。
コーチから直接声をかけてもらえていたので,どんな声をかけてもらっていたのかを尋ねると,「ボールの置きどころ」についてのアドバイスでした。
二男は遠い足でボールをコントロールすることは出来ているのですが,ボールを置きどころが少し中側になっていました。
二男は「右利き」の左WBです。
だからどうしても右足が使えるところにボールを置きたくなってしまうのです。
左WBということは二男の左側はタッチラインなので相手は必ず右側から来ます。
つまり右足は相手から近くなり左足は相手から遠くなるのです。
右足でボールを蹴ると相手に近いところをボールが通るのでパスカットされやすくなりますが,左足で蹴ると相手から遠いところをボールが通るので縦や斜め前のパスが成功しやすくなります。
右のアウトサイドでボールを蹴れば良いという考え方もありますが,自陣でプレーすることが多い左WBや左SBとしてはリスクが高いプレーになります。
私もずっとこのアドバイスをしていましたが,親が言うのとコーチが言うのでは重みが違うというか客観性が違うというのか,二男は真剣に聞いていました。
試合の合間に具体的なアドバイスをもらえたことは,サッカーIQが高くない二男にとってはとても効果的でした。
なぜなら二男は成功体験の積み重ねから学ぶタイプのプレーヤーなので,すぐに試合でアドバイスされたことを実行できるからです。
その後の二男はかなり意識してボールを自分の左側に置いていましたし,チームにボール循環のテンポをもたらしていました。
このボールの置き方をすると相手は縦パスを警戒して縦切りをするために1mは余分に走らなければいけません。
縦を切られたら中にカットインしたり斜め前のパスをしたりすればいいし,相手のプレスが良ければやり直してCBに戻したらいいので,相手にとってはかなり「うざい」状況を作れます。
二男は試合の中で成功体験を積み重ねることが出来ました。
あとは二男が左足のキックを目的意識を持って練習するのみです。
とくに左足で相手の背後にボールが蹴れたらもう相手にハマることはありませんし,仲間も背後に走り出しやすくなるから一石二鳥です。
二男にとってはとても価値のあるTMになりました。
右利きでありながら左SBや左WBでプレーする長友選手はとても参考になる選手です。
4つのキーワードと「デュエル」の質
長男は大学生とTMでした。
近頃の長男は4つのキーワードで課題に取り組んでいます。
それは「Zone3」「継続」「コンパクト」「デュエル」です。
正確に言えばもっと細かいのですが,意識付けをするためにキーワードにしています。
攻撃面では,「Zone3」に入っていく「継続」的で厚みのあるプレーを課題にしています。
守備面では,攻守にわたって「コンパクト」なポジションをとって1対1の「デュエル」で勝つことを課題にしています。
最近は,コーチからデュエルの際に「めっちゃ弱い」と煽ってもらえるので,のんびり屋の長男にとっては意識の習慣化につながっています。
大学生とのTMでは,不用意な失点で残念な敗戦になりました。
体格に勝る相手に対してのデュエルはなかなかハードです。
それでも世界でプレーすることを目指している以上負けるわけにはいきません。
スペイン代表のガビ選手は長男の3歳年上です。
デュエルに定評があります。
17歳のときにはFCバルセロナのトップチームデビューをしていましたから年齢を言い訳にはできません。
このTMでもコーチから「今のはめっちゃ弱い」と煽られていました。
試合には負けましたが以前より逞しくなったと感じました。
これまでは体力的に厳しくなると膝に手を当てて苦しそうにしていましたが,絶対に膝に手を当てずに胸を張ってぐっと我慢していたのです。
相手に弱みを見せない意地。
勝負を楽しむスポーツであるサッカーではとても大事なことです。
「大学生は体が固いわ。でも結構ボールは奪えたけど,やっぱり試合に負けたのがムカつくわ。まあ,CKから直接ゴールできたからZone3でプレーできたことは良かったけどな。」
と言って悔しそうに帰ってきた長男。
デュエルをたくさん挑んだので身体の色んな所が痛いらしいです。
きっとガビ選手はもっと痛い思いをしています。
精神的にも肉体的にも逞しくなりつつある長男。
これからもこのキーワードを意識してパーフェクトな選手を目指していってほしいです。