カタールW杯のもう一つの準決勝はフランスが勝ちました。
この結果によって決勝はアルゼンチン対フランスになりました。
我が家は,優勝国に日本以外でアルゼンチンを長男と私が予想していて,フランスを二男が予想していましたから,なかなかの観る目です。
アルゼンチンにはメッシ選手がいます。
フランスにはそのメッシ選手と一緒のチームでプレーした,グリーズマン選手とデンベレ選手,ムバッペ選手がいます。
チームはFCバルセロナとパリ・サンジェルマンです。
メッシ選手と一緒にプレーした選手はみんな上手くなる。
まさにメッシ選手が偉大であることを証明していますね。
さて今日のフランス対モロッコを観ていて感じたことはフランスの「バランスの良さ」です。
攻守にわたってバランスが良い配置である1-4-2-3-1を採用しているのは,中央とサイド,オフェンスとディフェンスに個の質が高い選手をそろえていることを最大限に生かしています。
特にトップ下にいるグリーズマンが素晴らしいです。
彼はFCバルセロナ時代にメッシ選手と一緒にプレーしましたが,バルサの哲学になじむことが出来ずに難しい時間を過ごしました。
アトレチコ・マドリードでは2トップの一角でシャード―ストライカー的な存在だったのですが,結果的にバルサでの時間が彼のプレーの幅やインテリジェンスを高め,今大会での絶妙なバランサー的な存在につながったのではないかと思います。
ムバッペ選手やデンベレ選手が生きるのも彼がボールをよどみなく循環させているからです。
攻撃的な選手は守備時にトラブルが起きやすいですが,グリーズマンは守備時の貢献も高く,チーム内の個の質が生きるようにプレーします。
一昔で言えばこのポジションはいわゆる王様タイプのポジションでしたが,現代サッカーに合った新しいタイプのトップ下かもしれません。
一方アルゼンチンは戦術メッシに徹した情熱的なチームで,一般人の私には理解に苦しむメッシ選手の不可解なポジショニングで相手のバランスを崩していくアンバランスなチームです。
最低限のリスク管理を行いながら,ボールサイドへのアグレッシブなプレッシングと南米ならではのショートパスを駆使しつつ,メッシ選手が圧倒的な個の質で数的優位を作り出す。
特にチームの団結力が高く,切れるギリギリの精神力で勝ち上がってきました。
それも「メッシにW杯を」という国民の願い,選手の願いが,神ががかった結果を生み出してきています。
バランス対アンバランス
まさに決勝はこの戦いになります。
心配があるとすればアルゼンチンのメンタルです。
アルゼンチンはどうしてもメッシ選手に頼っているので,メッシ選手の状態に左右されやすく,失点を重ねた場合にはメンタルが切れかねません。
フランスはサブの選手にも質が高い選手が多く,チームのバランス大きく崩れません。
もしフランスが苦戦するとすれば,メッシ選手を警戒しすぎたことによって,自分たちがアンバランスな状態になった場合のみです。
クロアチアはこの場合にはまりました。
私はかなりフランスが有利だと思いますが,それでもアルゼンチンを応援します。
なぜならメッシ選手にはサッカー選手としての夢があり,マラドーナ選手は私の憧れだからです。
常にマラドーナ選手と比べられてきたメッシ選手の重圧を思うと心が痛いですが,最後ぐらいマラドーナ選手以上の輝きをはなってほしいと思います。
だってメッシ選手はもうマラドーナ選手を超えているのですから。
マラドーナ選手は天国からメッシ選手にこう語りかけるでしょう。
「レオ,サッカーは楽しまなきゃだめなんだ。俺はめちゃくちゃ楽しんだぜ。」