カタールW杯決勝は筋書きがあるようでないドラマでした。
まさにドラマチック。
途中までは筋書きがあり,それを個の質が破り捨て,あとは意地の張り合い。
そんな決勝でした。
こんなに興奮したW杯決勝は自分史上初めてでした。
私たち家族のアイドルであるメッシ選手がついに手にしたWorld Cupです。
メッシ選手の表情に切なさが込み上げました。
実にロマンチックな瞬間でした。
今後のメッシ選手の動向が気になって仕方がありません。
できれば最後はFCバルセロナに戻ってリーガ優勝に貢献し,チャビ監督と喜びを分かち合ってほしいと思います。
これは私の願望ですが希望でもあります。
どうぞ叶いますように。
アルゼンチンの筋書き
さて筋書きの話に戻ります。
私はこれまでディ・マリア選手を温存していたように思っていました。
コンディションの問題もありますが,彼が最終兵器だったと思います。
だからそこにアルゼンチンの覚悟を観ていましたし,絶対に決勝は出場すると思っていました。
2得点奪うまでのアルゼンチンはまさに筋書き通りです。
https://www.youtube.com/watch?v=P62z1C-w_AQ
これまではどうしてもメッシ選手の個の質を頼りにしている戦い方でしたが,ディ・マリア選手が入ることでメッシ選手への警戒が分散します。
実際にそうなりました。
ディ・マリア選手のボールタッチ数の多さが物語っているように,アルゼンチンはディ・マリア選手がいる左サイドを有効に使って攻撃を仕掛けることが出来ました。
私と長男の分析では,アルゼンチンはムバッペ選手がいる右サイドを敢えて使わずにいたように思います。
つまりビルドアップの際にアルゼンチンの右サイドバックにはボールを入れないことでムバッペ選手を無効化していたのです。
アルゼンチンは同じ右サイドでも右サイドバックにはボールを入れずに,右ウイングのメッシ選手にはボールが入れていました。
つまり高い位置ならボールを入れるという戦術的な意図があったのではないでしょか。
メッシ選手は左利きです。
メッシ選手が相手から遠い位置にボールを置くと体が左側を向くので,左側にいるディ・マリア選手へパスが出しやすくなります。
それはFCバルセロナ時代のメッシ選手とジョルディ・アルバ選手の関係性のようです。
フランスはアルゼンチンの意図に気づき,早々とジル―選手とデンベレ選手を諦めて,ムバッペ選手をセンターフォワードに配置しました。
フランスの破壊的な攻撃
アルゼンチンの筋書きは完璧でした。
ディ・マリア選手が交代するまでは…。
私と長男はこの交代が10分早かったのではないかと思いました。
私たちの不安は的中します。
フランスがアルゼンチンの脚本を破り捨てました。
左サイドでの質の優位を失ったアルゼンチンはメッシ選手頼りの攻撃になっていき,フランスは攻撃に重点を置けるようになりだします。
そして,ついにムバッペ選手が圧倒的な個を解放します。
Abema解説の本田さんが何度言っていましたが,フル出場しているとは思えないほどの躍動感でゴールへと迫りだしたのです。
アルゼンチンも粘り強い守備で対応しますが,ムバッペ選手以外の選手がフィジカル能力が高すぎるので,どうしてもムバッペ選手だけに集中が出来なくなりました。
そんなときメッシ選手がコマン選手にボールを奪われます。
アルゼンチンはメッシ選手のボールプロテクトには絶対の信頼があります。
そこには多少の過信があったのではないでしょうか。
つににペナルティーエリア内でファールを犯してしまったアルゼンチンはフランスにPKを献上してしまいます。
アルゼンチンの先制点も同じようなファールからのPKでしたから文句は言えません。
さらに勢いづいたフランスは完璧なワンツーパスからムバッペ選手がゴールして同点に持ち込みました。
まさに電光石火。
完璧なゴールでした。
https://www.youtube.com/watch?v=l-L0iIlajoc
両チームの意地の張り合い
白熱のW杯決勝は延長戦になりました。
追いつかれたアルゼンチン。
追いついたフランス。
どちらがメンタル的に優位かは一目瞭然です。
しかし,アルゼンチンはサウジアラビアに敗戦したところからこのW杯が始まっています。
決勝に至るまでずっとギリギリの勝負をしてきています。
メッシ選手を信じ,メッシ選手と共に決勝までたどり着きました。
かたやフランスは初の延長戦であり,ここまで追い詰められた試合は初めてです。
どちらの意地が上回るのか。
もはや筋書きなどありません。
延長後半,メッシ選手のゴールで勝ち越します。
https://www.youtube.com/watch?v=hh714ltR2i8
誰もがアルゼンチンが勝ったと思いました。
でもサッカーの神様はなかなか意地悪です。
フランスのコーナーキックからのこぼれ球がなんとムバッペ選手の元に転がるのです。
まさにメッシ選手がスーパなら彼もスーパーだということです。
彼のシュートを必死でブロックしたアルゼンチンの選手の腕に当たり,アルゼンチンには無情,フランスに歓喜のPKになりました。
ムバッペ選手は突き抜けています。
2回目のPKも魂ゴールでした。
選手達には酷かもしれませんが,エンターテインメントとしては最高の展開であり,両チームの国民やサポーター,世界中のサッカーファンにとっては喜怒哀楽が詰まった充実の試合になりました。
PKについてはもはや語りようがありません。
ただし1本目を蹴ったムバッペ選手とメッシ選手のメンタルには脱帽です。
120分間戦い続け,全世界,両国民が固唾を飲んで見守る場面で,あのキックが出来る二人は最高のエンターテイナーです。
4年に1回の育成の祭典
メッシ選手に足らなかったWorld Cupとアルゼンチンの優勝で幕を閉じたカタールW杯は,日本代表のジャイアントキリング,モロッコの躍進など,様々なドラマがありました。
世界中が熱狂しました。
これは4年に1回で十分ですね。
疲れすぎます。
次回はカナダ・アメリカ・メキシコでの3国共催の北アメリカ大陸W杯です。
出場枠が48国になります。
また新しい場所での新しいW杯です。
願わくば,より攻撃的な戦術を駆使した各国の育成の発表会になることを願います。
W杯ありがとう。
しばらくはロスが続きそうですね(>_<)