エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
ちょっといい学校話

心に染みる先生の話

二男がよく言います。

「先生は話が長い。」

ずっと体育館の床に体育座りをしていて,腰が痛いし,寒いしで,先生の話の内容は全く頭に入っていません。

でも先生は子ども達に伝えたい大事な話をしているのです。

まさに伝える側と伝えられる側で思いが一致していない状態ですね。

ではなぜこのようなことが起きるのか。

それは簡単なことで,「自分の問題」としてとらえられているかどうかなのです。

先生は自分の問題として,子ども達に大切な話を伝えようと一生懸命なのです。

でも子どもは,自分の問題として先生の話を聞けていないので一生懸命ではありません。

この解決策を上げるとするなら先生は子ども達に話をする前に,

「私の話を聞いた感想を400字以内にまとめて提出してください。」

と言うのです。

そうすれば子ども達は自分のことになるので一生懸命話を聞くでしょう。

本当に感想を提出させることが目的ではなく,話を聞く目的を子ども達に持たせてあげればいいのです。

ただし,これはちょっと強引な方法ですので,ユーモアを交えたそれなりの配慮が必要です。

なぜなら,本当に大事なことは子ども達に「話の内容が心に染みる」ことだからです。

この方法だと,話の内容が心に染みるというよりは,理解するだけになりがちです。

先生が子ども達に話をするときの原則は以下の通りです。

 

① ゆっくり話す。

② 強弱をつける。

③ 表情を使い分ける。(真剣な顔,優しい顔,厳しい顔等)

④ 相手の目を見る。

⑤ 何について話すかを先に言う。(今から交通安全について話します。)

⑥ いくつ話すのかを先に伝える。(3つ話します。1つ目は…。2つ目は…。)

⑦ 1文,1分は短く。(私は…です。しかし…です。なぜなら…だからです。)

⑧ 出来るだけ具体的な例を挙げる。(実物,写真,音,動画,身近なもの,クイズ等)

⑨ 指名して感想を聞く。

⑩ 話はどんなに長くても3分以内。(もっと短くても良い。)

 

ちなみに私が教師生活最後の離任式では,ある絵本の読み聞かせをした後に「さようなら」と言うだけでした。

この時はまだ退職することを言えなかったので,私が子ども達に伝えたかった

「来年度は自分から窓の外に飛び出してたくさんの体験をしてほしい。」

という内容を図書館で選んできた絵本の読み聞かせで伝えただけです。

その絵本の内容は、春になり窓の外にはちょうが飛んでいたり,花がキレイだったりするのですが,窓の外を眺めていると思っていた誰かは部屋の中にはいなかったという内容です。

以下が私のあいさつです。

 

「皆さん,おはようございます。

今から絵本の読み聞かせをします。

背中をぴんと伸ばして,よく聞いてください。

(絵本の絵を見せながらゆっくりと読む)

皆さんは4月になれば新しい学年ですね。

4月と言えば暖かい春です。

ぜひこの絵本のように窓の外に飛び出してください。

きっと楽しいですよ。

それでは,さようなら。」

 

 

時間は2分ぐらいでしょうか。

子ども達はいわゆるあいさつではなかったので驚きと共に真剣に聞いてくれました。

後日にある先生からうかがったのですが,私のあいさつを聞いた中学年の子が泣いていてくれたそうです。

心に染みていてくれたのなら嬉しいですね。

私は教師としての最後の仕事をこうして終えました。

良かったら参考にしてください。