長男は京都府の大谷高校とトレーニングマッチでした。
結果は1対3で負け。
大谷高校はチーム戦術や個人技術に優れた好チームでした。
お互いが1-4-3-3でゴールキーパーを使って丁寧なビルドアップ行いますので,見ごたえのある内容でした。
こんな試合が日本の高校年代で観られるのですから素晴らしいことだと思います。
さて同じ戦い方なのになぜ奈良クラブは負けたのでしょうか。
その要因の一つにプレスの際のチーム全体の連動だと思います。
奈良クラブユースがゴールキーパーまでボールを下げるとほぼマンツーマンでハマっていました。
相手はリスクを承知でゴールキーパーまでプレスをかけてハメに来ていましたが,逆に奈良クラブはプレスにリスクをかけないので相手は数的優位のまま逃げきれていました。
これでは前線の選手は無駄追いを繰り返して疲弊します。
がんばってもボールが奪えない。
がんばったらボールが奪える。
どちらが精神的に楽なのかは明白です。
私はこれは奈良クラブユースの課題だと思っています。
リスクをかけてでもボールを奪おうとする気迫こそが相手を怯ませるのです。
最終ラインがたとえ数的同数になったとしても,奪うために行かせるならもっと行かせないといけません。
それぐらいの勇気は勝利のためには絶対に必要です。
奈良クラブにはその勇気が足らないということになります。
奈良クラブユースの選手は相手のプレスを受けると焦っているように見えました。
一方,大谷高校はきちんと保持できていました。
奈良クラブユース側の焦りはなぜ起きるのでしょうか。
私の考えでは簡単です。
普段のトレーニングで判断に焦るほどのプレスを受けていないからです。
勝利のためにリスクを負いながらプレスをかけるトレーニングをしていれば試合の方が絶対に楽になるはずです。
試合には対戦相手に勝つという楽しみがありますからね。
がんばったらがんばっただけ勝利につながるのなら,がんばり甲斐があるというものです。
きっと大谷高校は普段からそうやってトレーニングを積んでいるのだと思います。
「トレーニングと試合がつながっている」
すごく大切で難しいことを大谷高校は出来ていました。
さてさて今日の長男ですが私は大いに不満です。
ポジショニングやビルドアップ,プレッシング,ゾーン3への侵入などは意識高くやれていると思います。
でも本気でサッカーを職業にしようとしているのなら,突き抜けた意志がプレーににじみ出てくると思うのですが,今日の長男にはそれが感じられません。
小学校の頃は毎試合にそれがあったんですけどね。
どこに行ったのやら。
長男は攻撃的なポジションです。
攻撃の最大の目的はゴールです。
長男は2回あったシュートチャンスで味方へのパスを選択しました。
パスを受けた味方はシュートすら撃てませんでした。
長男曰く,
「パスの方が確実やと思ったから。」
だそうです。
私からしたら「バカ野郎!」と怒鳴りたくなります。
確かにパスをして有利になることもあります。
でも報酬を払う側からしたら「シュートを撃たない攻撃的な選手」に何の魅力があるのでしょうか。
観客は「シュートを撃たない攻撃的な選手」にお金を払ってまで観たいと思うのでしょうか。
そのことが長男はまだわかっていません。
だから私は試合後に長男にそのことを話しました。
長男はちゃんと聞いていましたが,どれぐらい響いたのかはわかりません。
実はシュートのことを言い出したのは小学校6年生の全日本少年サッカー大会県予選からです。
そのときの長男はあと一人かわしてシュートをしていれば同点に追いつくシーンでした。
でも長男はパスを選択しました。
結果はオフサイド。
その後に失点を繰り返してしまい県大会ベスト16で終わりました。
だから私たちはそのときの相手チームの名前を合言葉にして,「ここぞのときはジュートを撃つ」と決めてきたのです。
あれから5年たったのにまだここぞというときにシュートが撃てません。
長男がチームの勝利を優先していることも分かります。
パスコースが見えてしまうことも分かります。
でもそれで試合に負けていたらそれは言い訳です。
いったいいつまで合言葉を言い続けたらいいのでしょうか。
長男はゾーン3では強烈なエゴイストになる必要があります。
「自分のためにシュートを撃つ」
そのエゴがチームの勝利につながるのです。
そろそろ覚醒しようぜ,長男よ。
ブラボーと叫ばしてくれ!