学校には子ども達が納得出来ない校則がいくつかあります。
その校則が出来た経緯を知っている先生がいれば良いのですが,公立校は先生が数年で入れ替わってしまいますので,慣習のような校則が残ってしまいます。
例えば中学校なら「ツーブロック禁止」があります。
小学校では全く問題が無かったヘアスタイルが突然禁止になる。
子ども達からしたら理解に苦しみます。
きっと何かしらの禁止になった経緯はあるのです。
ある学校では「受験用」という回答をした先生がいたようです。
「ツーブロックでは受験できない」
これも謎です。
例えば「髪の毛を染めていてその色が派手すぎる」というのなら多少は理解できますが,ツーブロックはどちらかと言えばすっきりとしていて爽やかスタイルですので,受験に向いているようにも思います。
私なんて天然パーマですから,明らかにツーブロックの方がさわやかです。
そもそも「天然パーマであることを学校に証明しなければいけない」と言うのもナンセンスです。
好きで天然パーマになったわけではありませんから。
そもそも天然パーマの何が悪いのか。
学校はいつだってマイノリティーは特別扱いです。
しかしながら生活指導上,子ども達の風紀(社会生活の秩序を守るための規律)を整えることは集団生活の中には必要だとは思います。
ただし,マジョリティーに合わせるとか,指導者側の都合というのは,風紀とは違う観点だと思います。
私はなぜか生活指導を主任をすることが多かったです。
私は年度当初に生活指導の担当の先生同士でこれまでの校則を読み直し,話し合いを繰り返しながら,「子ども達が主語になる校則」に改善をしていました。
さらにはその校則を職員会議で提案し,全職員で校則の在り方についても共通理解をしていました。
その校則は児童会から代表委員会に提案され,学級会で話し合い,最終的に児童会が決定したものを各クラスに配布していました。
この流れだと決定までに時間がかかるのですが,大切なことに時間をかけるのは当たり前です。
「校則は自分の生活を守る規則なんだ」と子ども達が自覚していなければ,先生から押し付けられた規則になってしまい,主体性が下がってしまいます。
先ほどの「ツーブロック禁止」も子ども達が,高校受験に向けて髪型を整えていくために,辞めた方が良いと判断したのならば,その学校の規則として成立する可能性があります。
大切なことは「子どもが主役」であるかどうかですね。
私はある校則に疑問を持ちました。
それは「筆箱には鉛筆を5本入れる」というものです。
なぜ4本や6本ではだめなのでしょう。
そこに明確な理由はあるのでしょうか。
子ども達に質問をされたらどうやって説明するのでしょう。
私は子ども達に信念を持って指導できない校則は見直した方が良いと思っています。
なのでこの校則は「4本から6本」と幅を持たせました。
なぜなら小学校は通常授業が4限授業から6限授業だからです。
1限につき1本の鉛筆です。
ただし経済的な事情がある子どももいますので,各担任で教育的な配慮をしていくことを共通理解しました。
しかし高学年の子どもは数が4本でも6本でも構わないのですが,鉛筆限定というところに大いに疑問を持ちます。
なぜ鉛筆しかダメなのか。
これについてはなかなか説明が難しく,高学年の子ども達はシャープペンシルを使いたがるので,納得がいく説明が見つかりません。
芯を交換すれば1本のシャープペンシルで済むので便利です。
削る必要もありません。
芯を買うか鉛筆を買うか。
どっちもどっちです。
案外シャープペンシルの方が経済的かもしれません。
実を言うと私も鉛筆かシャープペンシルかでは明確な説明が出来る自信はありません。
でも私は鉛筆派です。
だって芯が柔らかくて太いので書きやすいからです。
小学校は「書きやすい」筆記用具が良いと思いますが,中学校入学を控えた高学年になるとその理屈が通りにくくなります。
最近はGIGAスクール構想によってタブレットを使って授業を進める機会が増えました。
そうなると鉛筆もノートの不要になります。
先ほどの「筆箱には鉛筆を…」の校則も不要になってしまいます。
そのかわりと言っては何ですが,タブレットの使用に関する校則が新たに必要になります。
校則は時代の変化によって変化していくもので,慣習で済ましてしまうものではないのかもしれません。
子どもも先生も校則も成長する。
そんな柔軟な思考を持ちつつ,「子どもを主役」にした校則作りが大切なのでしょうね。
そういえばある床屋さんが面白いことを言っていました。
「先生はツーブロックってどんな髪型か説明できるんでしょうかね。刈り上げとどう違うか分かるのかなあ。」
ごもっともです(*_*)