エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

立ち位置の決め方

長男が面白い話をしてくれました。

先日の試合で自分がどこにいたらいいのかがよく分からずに困ったので,試合後にコーチにアドバイスをもらいに行ったのだそうです。

すると,コーチは仲間の試合を見せながら説明をしてくれました。

簡単に言えば,ディフェンシブサードのCBとボランチで数的優位になっているから,左インテリオールの長男がディフェンシブサードに落ちていかずにミドルサード高い位置をキープしていることで,右インテリオールがフリーになり有利に前進できるということなのですが,相手が1-5-4-1という選手配置だったために,長男は相手のどの位置の選手がジャンプして来ているのかを平面上では見つけられなかったのです。

長男は1-5-4-1という配置のチームと出会ったことが無かったので混乱してしまったと言うのですが,私が面白いと思ったところは,長男が自分の「立ち位置」が分からずに困っていたことと,それを「平面」で説明されて理解できたところです。

長男はいつも通りにプレーしていたのですが,プレーしながらも違和感を感じていたそうで,いつもなら「こうしたら,こうなる」はずが,この試合では「こうしても,こうならない」のがなぜなのか分からなかったのだそうです。

これは以前もありました。

コーチからの指示で,自分のペナルティーエリアまで落ちて行って前進をサポートしたのですが,長男からするとそこまで落ちたら逆にスペースを狭くしてしまうのではないかと思い,頭で理解できずに無理やりプレーを続けてしまいました。

後でコーチに話を聞きに行ってその指示の意図を理解できたのですが,今回もそれに似ています。

コーチから

「相手が1-5-4-1だから今の状況だと,ここに長男が立つとこの選手がフリーになる。」

と教えられて,頭の中が一気にクリアになり,納得できたそうです。

家に帰ってから興奮気味にそのことを私に教えてくれましたが,私は作戦盤が無いと長男の言っていることが理解できませんでした。

「パパは作戦盤が無いと分からんのや。残念やなあ。」

と嫌味を言われましたが,サッカーの試合は目まぐるしく状況が変化しますし,選手はその中で瞬時にどこに有効なスペースが出来ているのかを判断しているのですから,ただたすごいとしか言えません。

特に中盤の選手はディフェンシブサードにもアタッキングサードにも関わるポジションですのでより思考が複雑です。

改めてイニエスタ選手やチャビ選手がブスケツ選手と共にやっていたことのすごさを実感しました。

現在はペドリ&F・デ・ヨングとトリオを組むブスケツ「チャビ&イニエスタとの日々は二度と繰り返されない」 | ラ・リーガ | DAZN News 日本

長男は小学校からエコノメソッドを学び始めて,中学校3年間と奈良クラブの1年間も継続して学んでいます。

そうすると,先ほどのように試合の中でこれまで学んで来たこととは違う出来事に出会った時に違和感を感じたり,平面であっても説明を受ければ自分の「立ち位置」を理解したりできるようになるのです。,

私は,長男が身に付けてきたサッカーにおける戦術的な理解度の高さに羨ましさを感じました。

ボールを扱う技術は有効なスペースを効果的に使うために必要な技術。

そう考えると,そもそも有効なスペースを見つけることが出来なければ,身に付けた技術を生かせないことになります。

サッカーは技術が先か,戦術が先か。

どちらも大事なのですが,先かどうかを聞かれたら,私ならサッカーを理解することが先と答えます。