エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

ホームの価値

今日はCLベスト16 2nd Legのトットナム対ミラン,バイエルン・ミュンヘン対パリ・サンジェルマンを視聴しました。

ベスト8をかけた試合でしたので会場は熱気に満ちていました。

前日のチェルシー対ドルトムントではチェルシーのホームにも関わらず,ドルトムントサポータが試合開始に合わせて黄色の発煙筒を焚き,画面が黄色に染まってしまいました。

ドルトムントのサポーターからしたら海外旅行をしているわけです。

チケット代を含めたら軽く10万円は超える旅行です。

それでもあの人数がスタジアムに集まります。

No Football

No Life

世界ではそんな人だらけなのです。

 

トットナムはアウェーの1st Legを0対1で落としているので最低でも2点奪わないといけません。

ホームチームに勇気を与えるために駆けつけたサポーターの歌声が終始鳴り響き,ほとんどの人がイスに座ることなく応援をしています。

一つひとつのプレーに会場が揺れるほどの声が漏れ響き,試合が終盤になればまるで自分がまるでプレーしているかのように感情をむき出しにしています。

終了前に退場者を出してしまったトットナム。

ミランの勝利がほぼ確実になると終了のホイッスルが鳴る前に観客はぞろぞろと帰り始めます。

帰りの混雑を避けるという理由もあるでしょうが,何度も何度もスタジアムに足を運んでいるからこその行動だと思います。

一見の観光客なら最後まで会場の雰囲気を楽しむでしょうが,自分の街の自分のチームを自分のことのように応援しているサポーターからしたら,自分のチームの敗北を理解して,早々と次の試合に切り替えてしまいます。

それもまさにサッカーが生活の一部である証拠です。

選手たちはサポーターを失望させてしまったことを悔み,申し訳なさの中で最後のホイッスルの音を聞くのです。

これを繰り返してきた選手たちが,逞しくならないわけがありません。

 

一方バイエルンのゴール裏は,立ったまま戦況に一喜一憂しているトットナムとは違い,大小さまざまなフラッグが絶えず振られていてまるでお祭りのような雰囲気です。

しかし最前線には鉄の柵が設置されていて,これまでの荒々しい歴史を物語っています。

イングランドとドイツのサッカー観の違いもあると思います。

どちらが正解と言うことではなく,どちらも世界の常識なのだと思います。

だからこそホーム戦の価値があるのでしょう。

慣れ親しんだピッチとスタジアムの雰囲気の中で試合をすることは,選手にとっては安心するだけではなく勇気をもらえるのだと思います。

試合はバイエルンがパリサンジェルマンのメッシ選手とエムバペ選手に仕事をさせずに,逆に狙い通りのプレッシングからゴール方向へのカウンターで2得点して快勝しました。

個を戦術に落とし込んでいるパリ・サンジェルマンと戦術に合った個で戦うバイエルンの差でしょう。

 

先週は奈良県に初めてJリーグがやってきました。

ロートフィールドは奈良クラブのホームスタジアムです。

当日スタジアムは松本山雅のサポーターが埋め尽くしたゴール裏は緑のパワーに満ち満ちていました。

長野県松本市から数100km離れた奈良まで,これほどの人が押し寄せる松本山雅の情熱に圧倒されました。

奈良クラブのサポーターがアウェーでこの人数を集められるのだろうか。

そう考えると先ほどのドルトムントサポーターは海外旅行までしているわけですから驚愕です。

私は奈良クラブも海外や松本山雅のサポーターようになって欲しいと言っているわけではありません。

イングランドとドイツの違いのように奈良には奈良のやり方があります。

しかし絶対条件として,奈良クラブの選手たちがホームであることに安心し勇気を持ってプレーすることができる雰囲気作りは必要だと思っています。

例えばホームスタジアムの施設そのものを完全に奈良クラブカラーに染めてしまうとか,砂かぶりシートを設置して選手と観客の距離を近づけて臨場感を出すとか,ボールがよどみなく転がる最高の芝生の状態に整備して奈良クラブのプレーの質を高めるとか。

「奈良クラブのホームと言えばまさにこれだよね。」

と誰もが言えるものを作り上げていくことでホームの価値を高めていけると思います。

今週末は2週連続でのホーム戦です。

対戦相手は青森県のヴァンラーレ八戸です。

さすがに松本山雅ほどのサポーターはやってこないでしょうが,松本山雅のサポーターが教えてくれたJリーグの熱を冷まさないように,たくさんの方にスタジアムまで足を運んでほしいですね。

この試合は奈良クラブ側が県内の小中高生は無料で観戦できるという企画をしています。

スタジアムが若者で埋まったらそれも奈良らしさのスタートになるかもしれませんね。