コパ・デル・レイ(国王杯)で我がFCバルセロナが優勝しました。
それもあのレアル・マドリードに逆転勝利。
延長戦まで戦い切りました。
過密日程を考えるとバルサは苦しいのすが,そんなことなんて気にする必要も無いほどの熱さ。
これでスーペル・コパとコパ・デル・レイの2冠達成。
CLとラ・リーガも優勝の可能性があるので,なんと4冠できるかもしれません。
勇敢なハイライン,個人で時間とスペースを持てる選手の存在,そして何よりもカンテラ―ノとの融合です。
バルサが大切にしている育成の成果が,あの時代から数年の時を経て再び実を結んでいます。
サッカーの進化はすさまじく速く,時代時代に合った選手が評価されます。
育成も同じできっと時代に合わせた周期があるのだと思います。
それは長男が「プロ」としてプレイするようになったことで実感しました。
どんなに原理原則を正しく学んだとしても,どのような戦術をチームが採用しているかで,活きる活きないはあります。
頭脳や戦術にはついていけるのですが問題はやっぱりタレントです。
タレントは圧倒的に優位になります。
瞬発力がある。
ジャンプ力がある。
高身長。
等々,いわゆるフィジカル。
どんなに練習をしてもどうにもならないことがあり,それがタレント集団のプロの世界です。
しかしながら,私は「メンタル面のタレント」はかなり重要だと思うようになりました。
どんなにフィジカルが優れていても,その優れたものを有効に使うためにはメンタルが必要になるからです。
どんなメンタルかというと,それは「主体性」です。
私が考える「主体性」とは
「遠慮をしないで,集団の中で個を発揮すること」
です。
長く教育界に居た私は,授業中でこども達に感想を求めると黙り込んでしまう場面に何度も出会いました。
「何を言っていいんやで。」
と促しても,なかなか活発に意見交換するようにはなりません。
「だって,恥ずかしいもん」「何か言われたら嫌やし」「何を言っていいのか分からん」
と理由を話すこども達。
きっと日本の学校であるあるなのではないでしょうか。
ヤマルやクバルシはまだ10代です。
なのにあの遠慮のない堂々としたプレイをしています。
間違いなく「主体的」にプレイしています。
どうやったらあのように育つのでしょうか。
私なりの仮説は「やらせる」のではなく「考えさせる」指導なのではないでしょうか。
日本の教育はこどもに失敗をさせません。
集団生活の決まりを大切にします。
場の雰囲気を壊すことを嫌います。
だから自由な議論は起きにくく,こども達は正しいことを言わないと浮いてしまうことを恐れます。
教師の影響力はかなり強く,教師の正解が子どもの正解となりやすいです。
「こども達の正しさ=教師の求めるもの」です。
教師は正解が書かれた台本を提示し,こども達はその台本通りに演じます。
この演じ方が上手な子が良い子となります。
ヤマルやクバルシは台本通りに演じているようにはみえません。
彼らがバルサの育成で原理原則を学んだ最高傑作だとします。
その原理原則にはメンタルも含まれていて,学びを遠慮なくアウトプットできると判断されたから,彼らはトップチームの試合に出場している。
そう考えたらあのプレイは辻褄が合います。
ということは教育界から時代に合わせてトランスフォームしていくことが必要なのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=oYHdKBfTwbE