太っ腹エコノメソッド
先日は奈良クラブのトップチームの試合がロートフィールドでありました。
ホーム戦のイベントとしてサッカーサービス社(本社はスペインのバルセロナ)の創設者であるダビッド・エルナンデス氏の小学生向けのクリニックが開催されました。
サッカーサービスについては別カテゴリーでうんちく話をしたいと思いますが,とにかくダビッド氏はとんでもない人です。
無料でクリニックが受けられるなんて,これまでのサッカーサービスのキャンプに参加した人なら拗ねます。
それぐらいの人です。
さらには指導者向けにクリニックの見学を解放してくれると言うサービスぶりで太っ腹にもほどがあります。
私は現在主夫なので,時間があるようで無く,家事を放っておくことに気が引けていました。
それも主夫という立場で指導者の勉強をしてどうするのか?
悩みました。
でも,やっぱり見てみたい願望が抑えきれずに,前日の23時過ぎに参加申し込みをしてしまいました。
長男への不満爆発
さてさて話はさかのぼり,前日の夜のことです。
長男のチームメイトのA君が試合のことについて相談の電話がありました。
私は私なりに考えていることを話していたのですが,悪気はないでしょうが長男のふざけたような態度がとても気になりました。
もっとうまくなりたいと思って友だちの親にまで相談してきたA君と比べてあまりに他人事で…。
実際,私は,その試合の長男のプレーも「世界」が感じられるような内容ではなかったと思っていました。
私はそのときから少し苛立ちを感じていました。
そして翌日,長男も家にいても暇だと言う理由で私についてきました。
私は車の中で延々と長男の態度とこの先の未来について説教をしてしまいました。
長男はふて寝してしまいました。
いざホームのロートフィールドへ
ロートフィールドに到着しました。
長男を起こして,クリニックに向かいました。
受付には長男が小学校6年生のころに通っていたバルセロナアカデミー奈良時代のコーチであり,現在はエコノメソッド関西の通訳でもある恩師が子どもや保護者,見学者の対応していました。
奈良に来たことで,再びお会いする機会が増えました。
3年間の山梨生活は,主に関東との関わりが中心であったため,関西にいるだけで懐かしさがあります。
フィールドに入るとアカデミースタッフや矢部さんなど,奈良クラブの関係者の方々が声をかけてくれました。
長男はすでに奈良クラブの一員であり,奈良クラブの物語を共に作っていく仲間なのです。
長男の顔は先ほどの説教の頃とは変わり,穏やかで刺激を楽しんでいるような顔になりました。
長男のワクワク復活
ダビッド氏のトレーニングが始まりました。
それもピッチ内に入って見学をさせていただけました。
私は久しぶりにノートを片手にトレーニング内容のメモを始めました。
すると長男も初めて見るダビッド氏のトレーニングに興味津々でした。
ダビット氏の指導のもと元気に駆け回る小学生を眺めながら,
「自分も指導してもらいたいなあ。」
と長男がつぶやきました。
こんなこと言うのは何年ぶりでしょうか。
長男と二人で日本中,さらにはスペインまで夢中になってサッカーを追いかけていたあの頃に戻ったような気分でした。
朝から私がした説教が良かったかどうかは全く分かりませんが,ダビッド氏のクリニックの見学に連れてきてよかったと思いました。
その後,アカデミー生ということでU18監督のダリオ氏とダビッド氏の二人が質疑応答の時間を用意してくれました。
私も一応見学者として参加させてもらいました。
そこでダビッド氏に最初に質問をしたのが長男でした。
小学校の頃,遠方からキャンプに通っていた私たちは,たった一回のトレーニングでも無駄にしたくないという気持ちでした。
だから,長男にはくどいぐらいに「一番前に並べ」「積極的に手を挙げろ。」と言っていたのです。
それが最近の長男は全体の場でコーチが全員に質問しても手を挙げることはほとんどありませんでした。
昔のようにガツガツしろとは言いませんが,子どもの頃のワクワクした気持ちまで忘れてしまったようで悲しく思っていました。
だから私は昔の長男を観ているようで,それだけで嬉しかったのでした。
ダビッド氏の話はとても奥が深く,哲学的なようで人間的でした。
長男も話を聞いて興奮が止まらない様子でした。
もちろん私は当然です。
動いただけ何かが変わる
この日の長男は,その後も色々な方と関わりながら心が豊かになる1日を過ごしました。
「止まっていたら何も変わらないが,動いたら動いただけ何かが変わる。」
長男にとっては,良い変化になる動きになりました。
これからも,せっかく奈良に来たのだから,もっといろんなに人から刺激をもらって,人間的にも豊かに成長してほしいなと思いました。
ちなみに家でテスト勉強のために留守番をしていた二男は,家の中に止まっていたので特に何も変わりませんでした…。
だって,結局テスト範囲をまちがえていて翌日の朝に焦っていたのですから。
おい!