エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

現役最後のゴール

最後の現役復帰

久しぶりに選手に戻った私のお話です。

ボランティアコーチ兼任で現役復帰した私はもうすぐ40歳でした。

チームはあの昇格から数年,東海リーグに残留を続けていました。

数年ぶりの現役復帰ですしトレーニングを続けていたわけではないので,とても戦える体力,精神力はありません。

私の役目は,トップチームもコーチ兼任のような立ち位置で,試合もFWとしてパワープレー要員でした。

ジュニアのコーチをしながら,選手としてトレーニングをしたり,試合に遠征したりする日々はなかなか大変でした。

それでも東海リーグの舞台に戻ってきたという高揚感はあり,パワープレーでチームに貢献できる準備はしていました。

チームは東海リーグ残留争いをしていました。

終了間際のニア勝負

名古屋市港サッカー場での試合のことです。

長男と二男を試合に連れて行きました。

父親がプレーしている様子を見せたかったのかどうかは覚えがありませんが,思い入れのある試合会場だったから連れて行ったのかもしてません。

チームは後半終了間際で1点ビハインドでした。

残り10分ぐらいだったと思います。

私に出番が来ました。

私は「ニアで勝負」だと心に決めていました。

すると願ってもないチャンスがやってきます。

スピードのある仲間の選手が左サイドを縦に突破したのです。

現在の私には何度も100%でダッシュできるほどの体力は戻ってきていません。

私はこのチャンスにかけました。

一度右側に走ってファーサイドでセンタリングを受ける動きをした後,CBの間を通ってニアサイドに全力で走りました。

するとドンピシャリでボールが相手ゴールキーパー前に来ました。

私は左足のインサイドで逆サイドに流し込むように腰をひねってシュートしました。

ここからはまるでスローモーションのようだったのですが,放たれたシュートは驚くほどきれいに逆サイドのサイドネットに吸い込まれたのです。

私はそれを眺めながら頭が真っ白になりました。

もともとDFなので1試合に1本もシュートなど打ちませんし,このチームで得点したことも何年振りか分かりません。

それが現役復帰した年に,40歳間近で,東海リーグの舞台で,チームの貴重な同点ゴールになるとは。

そして子どもたちの前でのゴール。

「サッカーの神様は本当にいるのかも。」

そんな気持ちになるほどのゴールでした。

サッカーには「魔力」がある

チームはこのゴールで勢いに乗り,逆転ゴールも決めて勝利を収めます。

サッカー選手としてこんなご褒美があるとは思っていませんでした。

ちなみに翌週に行われた浜松での試合でも,同じように左サイドからのセンタリングにニアで飛び込んで貴重な同点ゴールをあげることができました。

まさかの2試合連続ゴール。

出場時間15分での2ゴール。

またしても子どもたちの前でのゴール。

つくづくサッカーには言葉では言い表せない「魔力」があるなと実感しました。

この2ゴールが現役での最後のゴールになりましたが,生涯忘れられないゴールの一つになったことは言うまでもありません。