パリ・サンジェルマン来日
フランスリーグ1(アン)のパリ・サンジェルマンが日本ツアーを行いました。
日本でメッシやネイマール,ムバッペ,ベラッティ,マルキーニョス,セルヒオ・ラモス,ナバス,ドンナルンマなどのユーロやワールドカップ代表選手が観ることができる絶好の機会でした。
飛行機で何時間も離れた国からやって来た彼らはニュースやメディア,SNS上でとても華やかな存在でした。
選手の価値と責任
私や長男と二男は幸運にも吹田スタジアムの練習を見学することができました。
スタジアムに着くとパリのユニホームを身にまとった人々であふれかえり,選手バスの到着を今か今かと待っていました。
だからこそ感じたことは「期待に応えることが義務付けられた選手の責任」です。
彼らは華やかさの反対側には恐ろしいほどの責任を背負っています。
今回のジャパンツアーでは選手の年棒が何度も何度も紹介され,選手の価値を金額で表現していました。
その金額は真面目にコツコツと障がい働いても手にすることができない額です。
ということは彼らにはそれだけの価値があると言うことですし,それだけの価値があると言うことをこのツアーで証明しなければいけません
スタジアム内は瞳をキラキラとさせた老若男女が練習前にもかかわらずスマートフォンを片手に興奮していました。
いざ練習が始まると選手の一挙手一投足に歓声が上がり,スマートフォンのシャッター音は絶えず鳴り続けました。
その中でプレーする選手達は緊張した様子も見せずに,まるで当たり前のようにファンサービスをしたり,練習をこなしていきました。
試合後かつ試合前日と言うこともあり,調整色が強い練習内容でしたが,それでもプロ選手としての価値を示していました。
サッカーはチームスポーツですが,チームとの契約は個人での契約になるわけですから,「強烈な個性」が自身の価値を高めることになるわけです。
たった1時間強の練習でしたが,練習に取り組む姿勢でもそれが垣間見れました。
リオネル・メッシという選手
とりわけメッシ選手の姿勢には「恐ろしさ」を感じました。
当然,彼にとっては普段のリーグ戦やカップ戦ではないので,ストレスのかかり方としては軽いかもしれませんが,練習の取り組み方に妥協しない姿勢や「いつ」「どこで」「なにを」「どのように」プレーするのかが独特でした。
今回の練習ではメッシ選手をひたすら追っていたのですが,とても面白い選手だと実感しました。
① 立ち振る舞い
まずは立ち振る舞いです。
とてもニュートラルで脱力がすさまじく,リラックスしているというよりは「自然」な立ち振る舞いでした。
地面を優しくとらえるような歩き方から突然獣のように加速する走り方になる。
そこに不自然さは全くありませんでした。
② スペース
また,ポゼッションやミニゲームでは,全く関わろうとしない時と全力で関わる時の差,ドリブルとする時とパスをする時の差,様々な差が私レベルでは理解に苦しみました。
きっと彼には何かが見えていて,その選択の正否が極端なのだと思います。
どうすればこの差を埋められるのか。
それでも1つだけは見つけました。
彼は「スペース」があるかどうかは絶対に見ています。
もしくは「スペース」を作り出すと言っても良いのかもしれません。
ガンバ大阪戦でメッシが左のネイマールからパスを受けてゴールをしたシーンは,スペースが無いように見えましたが少し遅れて侵入したことでパスを受けるスペースを作り出していました。
メッシから始まりメッシで終わるhttps://t.co/dx0zS7ZV6E
— リオネル・メッシ™ (@JapanMessi3) July 25, 2022
ガンバ大阪の選手からするとゴール前に人はいたわけですから,メッシが入り込むスペースは無いと思っていたはずです。
だからネイマールに気をとられたとしても驚きだったと思います。
③ 目
最後に,目です。
メッシは自動化トレーニングの時に何度もコーチに話をしていました。
何を話していたかは分かりませんが,おそらく自動化トレーニングの状況に対してリアリィティを求めていたのではないでしょうか。
メッシのこだわりが見えます。
パリ・サンジェルマンはメッシ,ネイマール,ムバッペを生かすために,1(GK)-3-4-1(メッシ)-2(ネイマール・ムバッペ)という選手配置を試していました。
いよいよチームメッシの様相を示しています。
そんな中でメッシは練習でも試合でも「冷静に相手を分析し,獲物を狙うような目」をしていました。
ミニゲームではセルヒ・オラモスとの接触があり,セルヒオ・ラモスが痛みましたが,メッシは「それぐらいどうした?」と何食わぬ顔でゲームを続けました。
メッシとセルヒオ・ラモスと言えば数々の死闘の象徴です。
メッシの様子からプロサッカー選手として今まで生き残って来た理由がわかります。
メッシは,サッカーはショウではなく結果で示さなければいけないことを知っているプロの中でも最高級のプロなのです。
だから練習でも拘る。闘う。結果を出す。
世界との距離
さて,今回は長男と二男も一緒に観ました。
2人の興奮は冷めやらず,帰りの車の中はテンションが高かったです。
2人には,
「いつかあのグランドに立って観客席を眺めよう。」
と伝えました。
観客席とグランドの距離は世界との距離です。
近いようで遠い。
遠いようで近い。
今回のパリ・サンジェルマンの選手の中には育成年代でエコノメソッドに取り組んだ選手がいました。
あのダビッド・エルナンデス氏の指導を受けていた選手たちです。
奈良クラブはエコノメソッドを導入している日本で唯一のクラブです。
https://naraclub.jp/academy/project#method
断言できます。
世界との距離は決して遠くありません。