エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

完敗から始まった16歳の夏

8月14日は長男の16歳の誕生日。

奈良で誕生日を祝うのは初めてです。

その記念すべき日に初開催のユースワールドチャレンジで神村学園Bと試合でした。

結果は0対2で完敗。

ほとんどの時間を受け身の守備で追われ,何とか仕掛けたカウンター攻撃も「鋭い」と言うよりはこれしかないという状態でした。

序盤こそ高い位置でのプレッシングの連続性や強度,奪った後の素早いカウンターには意図がありましたが,左右への大きな展開には対応が遅れだすとずるずると後退してしまい,相手の背後にクリアをするのが精いっぱいになってしまいました。

GKを使ってビルドアップを試みますが,前線の選手がボールをおさめきれなかったり,サイドではまったりを繰り返し,逆に相手の高い位置でのプレスを受けてしまう展開でした。

そんな中,長男は左のインサイドハーフとして60分間プレーしましたが,前半の最後にはガス欠・・・。

ビルドアップを助けるためにCBの脇に落ちてきたり,ボランチに入ったりと瞬時に考えて工夫はしていましたし,カウンターでスルーパスを狙ったりもしていましたが,相手のフィジカルに対してぎりぎりのプレーが多く,相手を困らせる遊びはほとんどありませんでした。

徐々に腰に手を当てたり,膝に手をついたりして明らかに戦える表情ではなくなっていきました。

最近この表情がよく出ます。

昔はいつも楽しそうだったのに今は苦しそう。

親として心が痛みます。

でも・・・。

自分よりもフィジカルが上回る相手に対して前線から積極的にプレスをしていたり,自分の頭を越えるボールに対して往復を繰り返していたので「きつい」のは分かります。

暑さも分かります。

2週間のオフ明けであったことやこの試合前にフルピッチでのゲームを一度もしていなかったことなど言い訳はたくさんあります。

それでもやっぱりサッカー選手としては不甲斐ないと思ってしまいました。

どんなに疲れていてもどんなに点差があっても,アドレナリンは途切れることなく貪欲に勝利を目指してこそサッカーであり,海外を目指すのであれば最後まで誇り高く戦ってほしいものです。

いつも見ている海外の選手でそんな弱気な選手なんか一人もいません。

そんな選手がいたらお客さんに失笑されます。

だからあえて長男には帰りの車中で厳しい言葉をかけました。

誕生日なのに残念でしたが,逆に考えれば誕生日だからこそ,もう一度奈良に来た目的を明確にするチャンスでもあります。

来年の誕生日には見違えるほど逞しくなっていることを願って,今は心を鬼にしなければいけないと思いました。

私たちは奈良クラブで世界を目指すと決めて奈良に来ました。

スペインではペドリやガビが10代でトップチームでプレーし,フル代表に呼ばれていることを思うと,今の長男があと数年で彼らに追いつけるとは到底思えません。

世界に出るためには長男が奈良クラブで何をすべきなのか?

何をしたら世界に出られるのか?

どうしたらペドリやガビのように戦えるようになるのか?

帰りの車中,厳しいことを言う私にムカついて言い返してきた長男を応援したいと強く思った長男16歳の始まりの日でした。