エコノメソッドでプロサッカー選手を育てるまでのブログ
サッカー愛にあふれたうんちく話

私の生きる道

少しずつ少しずつ自分を出していきます。

1月4日にONE DAYのカップ戦にコーチとして帯同させていただきました。

もともと3男が参加することになっていたのですが,よそ者の私がふらっと現れて迷惑をかけてはいけないと思っていました。

それでも3男が私のコーチとしての帯同を喜んでくれたので,迷いに迷って参加することに決めました。

試合で3男をコーチするのは1年半ぶりです。

おそらく小学校年代でサッカーを辞めてしまう3男のコーチをするのはこれが最後になると思います。

独りで勝手に感慨深くなっていました。

この大会参加は「Let’s Enjoy Football」が目的ですので,担当させていただいたチームに私が伝えたことは以下の4つにとどめました。

① サッカーを学びながら勝負を楽しむ。

② サッカーは攻守が一体になっているチームスポーツであることを理解する。

③ グランドを広く使いながら攻撃方向を向いている選手を生かして前進する。

④ ボールサイドに寄せて攻撃をするためにボールを奪いとる。

私が担当した子ども達の半分は5年生の時に一緒に大会参加したメンバーでしたし,昨年まで関わっていた中学校のグランドをお借りして行う水曜日練習のメンバーも含まれていましたから,子ども達は抵抗なく私を受け入れてくれました。

大会は3チームごとで予選リーグを行い,グループ内の順位で分かれてトーナメント行うレギュレーションでした。

私が担当したチームは予選リーグで2敗してしまいました。

相手が県外のチームかつアグレッシブにディフェンスするチームだったこともあり,GKを使いながら前進する途中でつかまってしまい,ショートカウンターで失点をしてしまう展開でした。

それでも子ども達は勇気を持ってビルドアップにチャレンジしてくれましたし,徐々に進行方向を向いている選手にボールを預けられるようになってきました。

時折,狙い通りの前進が出来て観ている保護者を驚かせていました。

選手の配置を1-2-1-3-1にしていたこともあり,サイドハーフが高い位置から戻れずに,2バックの脇を使われて苦しくなる場面が何度もありましたが,試合間のミーティングを通して,1ボランチがセンターバックの間に落ちて対応したり,トップ下の選手がボランチの位置に下りたりして対応していました。

子ども達は本当に可能性に満ちています。

自分たちのなぜうまくいかないのか,どうすればうまくいくのか,相手のシステムがどうなっていて,どこに数的優位があるのか,などミーティングで話しているとどんどん吸収していきます。

寄せ集めチームなので,試合中に言葉でのサポートは必要でしたが,自分達でポジションを決め,交代メンバーも相談し,主体的に進めていった成果で,なんと3位トーナメントの決勝に進むことが出来ました。

決勝の相手は3位トーナメントなのに?と言ったら申し訳ないですが,チームでボールを運ぶことが出来る好チームでした。

前からのプレスに対してはまってしまい前半に2失点をしてしまいました。

でも主体的に取り組んだ成果が後半に現れます。

ハーフタイムのミーティングで少しだけパワーを注入すると,全員が怖がらずに高い位置をキープしながらボールを保持し始めたのです。

ボールを奪われたらすぐに奪い返し,進行方向を向いている選手を使ってグランドを広く使いながらボールを循環させていきました。

それでも相手は頑張るチームでしたのでなかなかシュートまではたどり着きません。

私が表に出るのは嫌だったのですが,子ども達の一生懸命な姿に我慢できませんでした。

私の指示でトップ下の子をフォワードにして2トップにしました。

ボランチの子には,

「一人で大丈夫やよね。このまま負けたくないでしょ。」

と声をかけました。

その子は頷きました。

チームはウイング気味にサイドハーフを置いているので,相手のサイドバックが食いついて来たら中央は2対1で勝っています。

そしてそのチャンスはすぐにやってきました。

センターハーフの子が進行方向を向いてボールを受けたのです。

ずっと続けてきた成果ですね。

ついに2トップにボールが入りました。

数的優位です。

はなたれたシュートは見事にゴールに吸い込まれました。

これで得点は1対2です。

チームも,観戦していた保護者の方々も,一気に盛り上がりました。

それほど素晴らしい前進の仕方でした。

結局,このままの点差で負けてしまうのですが,最後まで数的優位を生かしながら怒涛の攻撃を見せてくれました。

素晴らしい決勝戦でしたし,素晴らしい敗戦でした。

1日かけて取り組んできた成果が試合で感じられましたし,敗戦したことで課題も見つかりました。

子ども達は夢中になってサッカーをしていました。

この試合は全国大会の決勝ではありません。

土のグランドです。

3位同士の決勝戦です。

でも子ども達は一生懸命試合をしていましたし,勝負を楽しみながら本気でサッカーを学んでいました。

子どもにとって全国かどうかよりも,楽しいかどうかの方が大事なのだと思います。

このことを私たち大人は忘れてはいけません。

まさにこの子たちが日本の未来を支えるグラスルーツですね。

久しぶりにコーチをさせていただいて,改めて子どもの素晴らしさとコーチとしての自分を思い出しました。

やっぱり私はサッカーのコーチがしたい。

小学校の先生を25年勤めて,新たな人生は「サッカーと生きる」と決めて奈良に飛び出しましたが,なかなか思うようにはなりませんでした。

決してサッカー少年を支える主夫がダメだということではないのですが,私はサッカーが大好きですし,子どもが好きですので,残りの人生は大好きなことを仕事にしたいと強く思いました。

大切なことに気づかせてくれた寄せ集めチームの子どもたちに感謝です。

ちなみに3男は勝負勘が鈍っていて,決勝の前半はトップ下としてボールを奪われるシーンが目立ちました。

私が「トップ下の選手としては厳しい言い方をすると弱いね。」と伝えると,3男は本気の目で「確かに弱すぎる。」と言い返してきました。

後半は右のサイドハーフとしてプレーし,サイドを何度も駆け上がり,ドリブルで仕掛けていました。

ファールだと審判にアピールしていました。

まだまだ戦える3男を観れてホッとしました。