信頼している治療院のおすすめのお店に行ってきました。
そこは「目」のお店です。
文部科学省の「GIGAスクール構想」によるICT端末を使った授業が始まって数年。
スマートフォン所持率の低年齢化も進み,子どもたちは電子的な光を長時間にわたって見続ける生活が日常になりました。
私はこれが本当に嫌で,息子達にはいわゆるゲーム機器を与えてきませんでしたし,スマートフォンも中学校で寮生活をしていた長男にさえ持たせませんでした。
しかし時代の流れに抗い切ることは出来ず,長男は中3の夏に,二男は中二の春に,三男は中1の春に持つことになりました。
二男と三男は例の構想により,学校からアイパッドが配布されていましたから,親としての私の思いは,国家的なプロジェクトのおかげであえなく崩れ落ちていました。
私がどうしても嫌だった理由は,視力の低下を危惧していたからです。
私自身が近視です。
それも小学校時代にハマったファミコンが間違いなく原因の一つです。
サッカーをするうえで目はとてつもなく重要です。
だからこそ親として目を守りたかったのです。
長男はそのお店で目の検査をしてもらうことになりました。
多くの方は目の検査と言うと「視力」を測ることを思い浮かべると思います。
私もそう思っていました。
しかし,そのお店は違いました。
まずは効き目の説明から始まりました。
私は右目で,長男は左目でした。
長男は
「そうやと思っていた。左側が見やすい。」
と言うのです。
私は
「え?同じ右利きやのに目は逆になるなんてありえるん?」
と思いました。
それも目は2つの目で同時に同じものを見ているわけですから,効き目なんてことがあることにも驚きでした。
と言うことは効き目が近視になったり,何かが起きて使えなくなったらどうなるのでしょう。
急に怖くなりました。
興味深い検査は続きます。
人間はそもそもは動物である。
ここから検査はより本質へと向かっていきます。
人間の生活が豊かになり,コミュニケーションのツールとして文字が生まれました。
それまでは他の動物と同様で,狩りをするために遠くを見ることを目的に目が使われていました。
なるほどです。
現在でも狩りを中心に生活をしている人は目が良いと言いますから,その考え方はまったくもって間違っていません。
では文字を日常的に使うようになったのは一体いつぐらいなのか?
日本で言えば学制が整った明治時代からです。
つまり約150年程度。
私たちはたった150年で日常的に近くを見る生活に変えてしまったのです。
遠くを見る目で近くを見たらどうなるのでしょう?
眼球を動かしているのは筋肉です。
なんとその筋肉が眼球を絞り込み,柔らかいボールを握るように,近くに焦点を合わせているのだそうです。
これが日常になると言うことは,筋肉は常に緊張状態にあり,眼球は絞り込まれているわけです。
よくスマホを見続けていると目や肩が凝ったりしませんか?
その原因がまさにこれです。
子どものうちはまだ眼球が柔らかいそうですが,大人になるにつれて眼球は固くなるので,絞り込んだままの形で眼球が固まっていくことになるというのです。
こうなるともう遠くは見えません。
いわゆる近視です。
さらに怖いことがあります。
きっと私たちは「遠くが見れるようにに作られた眼鏡やコンタクト」を付けるでしょう。
それを付けた状態で近くを見る生活を続けたらどうなりますか?
筋肉はすでに歪んだ眼球をもっと絞り込んで焦点を合しに行くことになるのです。
怖すぎる…。
先ほどの効き目の話に戻ります。
私たちは2つの目を使って目標物に焦点を合わせています。
でも先ほどのように近くばかり見ていると遠くに焦点が合わなくなるのは当然ですし,効き目によって偏った見方をしてしまえば,焦点はどんどん効き目側にずれていくことになります。
つまり正確に遠近感が認知できなくなるということです。
ちなみに長男は左を効き目に頼り過ぎていたので,私が理解できる遠近感がきちんと理解できていませんでした。
長男はものすごく真剣に検査を受けていました。
今までいい加減に考えてきた目について本気で考え始めました。
「中学校3年生までスマホを持たなかったことは良かった。でもそれからの時間でここまで目の使い方のバランスが悪くなってしまった。スポーツ選手として目は大事でしょう。これから左右の目の使い方が良くなることを願って改善していきましょう。今は17歳だからまだ間に合うかもしれません。」
と言ってもらって安心していました。
長男は迷いなく近くを見る眼鏡を買いました。
つまり初めから近くに焦点があった眼鏡をかけてスマホやパソコンを使うことにしたのです。
現代の生活様式から考えて近くを見ないと言うことは無理です。
それならば遠くを見る目のまま近くを見る道具を使えば良いということです。
本来の眼鏡は遠くを見るための眼鏡ですがこの眼鏡は近くを見るための眼鏡です。
この眼鏡をかけて遠くは見えません。
検査で測った近さしか見えません。
遠くを見ている状態で近くを見ているので筋肉の緊張はありませんし,眼球が絞り込まれることもありません。
左右のバランスも良くなるように計算されています。
私や長男からしたらまさにドラえもんの秘密道具です。
でも人間の本来の姿から考えれば,何の秘密も無い,当たり前の道具です。
おまけですが,長男は先ほどの効き目の関係でどうやら斜めの認知が悪いらしく,それを矯正する練習方法も教わりました。
これによって長男のプレーはさらに向上する気がします。
自分の身体のことを知ることはスポーツ選手としてだけでなく,人としてとても重要だと思います。
サッカーは人がプレーしますから,やっぱり人が一番大切ですね。